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40話 村中にて2

前の主人に会うことができた。そして俺は交渉を始めた。

「いらっしゃい・・・・・・」


店内に入るとかすれた声で挨拶をされる。声のした方に目を向けると白髪で痩せ型の男性がグラスを磨いていた。手馴れた雰囲気を見ると素人目にもこの仕事を長くしているように感じた。


「マスターお久しぶりです」


山田さんが頭を下げるとこの店の主人だと思われる男性が軽く会釈を返す。


「私はここから戻らないと伝えたつもりですが・・・・・・」


「いえいえ、今日はあなたにお客様を連れてきただけです。約束を守らないかたに私から会いに行く事なんてありえませんよ」


妙な雰囲気が漂う中、沈黙も怖いので主人の前まで歩いていく。近づくと主人の顔がはっきりしてくる。50歳くらいだろうか、もしかするともう少し上なのかもしれない。俺と目が合い不思議そうな顔をする。


「あなたが私に用事があるのですか? 外の世界でお会いした事がありましたか? 」


俺の顔を見て少し考えている。もちろん会うのは初めてなのでこちらから用件を伝える。


「はじめまして、俺は大石大と言います」


自分が主人の店の次の買い手になるかもしれないこと、それにあたって一緒に働いてくれないかと言う事を伝えると即答で断られた。


「元の世界に帰りたい気持ちはありますが、ここが気に入っていまして」


お店の中を見ると、見たことの無いお酒や見慣れたお酒など様々並んでいる。店は小さいが独特な雰囲気があって、もしこのお店があったら通ってみたい気持ちになった。だからこそ簡単には引き下がれなかった。どうすればこちらに来てくれるか条件を聞いてみたが首を縦には振ってくれなかった。主人がここまで、こちらの世界に留まる理由はなんだろうか。こちらでしか手に入らないお酒があるからだろうか?その理由を聞いてみると主人は曇りのない真っ直ぐな瞳で答えてくれた。


「こちらの世界には獣耳の可愛い男の娘がいっぱい居るから、それにこっちの世界の男の娘は子供を産めるから!!! 」


俺は言葉が理解できず少しぼーっとしていた。




ゆっくりのんびり更新します。

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