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29話 商店街をぶらついて帰ります

李音君と計さんから逃げるように店を出てそのまま帰ろうとも思ったが、今後のお店の為にアニメショップへと向かうことにした。

ふぅ、色々な意味で大変な目にあったと思いながらすぐには家に帰らず商店街を目的もなく歩いている。この商店街の何とも言えない雰囲気が好きだ。だからここでお店をやるのもいいのかなと思ったのかもしれない。葉君に『ホブマ師匠って分かる?』というメールだけ送りアニメのグッズが売られている店に行ってみる事にした。特に買いたいものがあるわけではないが、今後来ることになる可能性がある店に暇な俺は足を運んでみる事した。


そういえば周りの視線が気になる。確かにおっさんが明るい内から商店街をうろついていたらおかしいかもしれないが、この商店街は性別や人種などごちゃ混ぜなはずだ、俺なんかを気にすることはないと思うのだが、昨日から視線を気にし過ぎている気がする。おっさんが何を自信過剰になっているんだと頭を掻きながらやっと見つけたアニメの商品などが売っていると思われるお店に入っていく。


そう、俺はまだ覆面を被ったままだとは気が付いていなかった。視線は不審者に対するものが半分、ホブマ師匠に対するものが半分だった。


店内に入ると聞いたことが無い曲が思ったより大きい音で流れている。ここで流れている曲は経営するお店で流すことになるかもしれないと思いながら店内を見て回ることにする。店舗は5階建てで1階のスペースはそこまでは大きくなかった。見ようと思えば30分以内に見て回れるだろうと思ったのだが・・・・


1階はカードやシールなどが販売していた。小学生の頃に流行ったお菓子のおまけのシールやがちゃがちゃの人形などが売っていた。ただそれは当時100円で買えたものとは思えない値段がついていた。


「嘘だろ・・・・0が多い気がする」


「ホ・・・ホブマ師匠・・・何かお探しですか?」


少し緊張気味に店員さんが話しかけてくる。ネームプレートに『マイ』と書かれている。


「あの、自分はホブマ師匠ではないのですが」


「でも、それってホブマ師匠の覆面(マスク)ですよね?背格好もそっくりですし」


それを聞いて自分の顔を触る。その感触に覆面を脱ぎ忘れていた事に気が付く。あまりのフィット感に全く違和感がなかった。計さん、恐ろしい人だ。覆面を脱ごうと思ったが、逆に恥ずかしい気がしてこのお店はこのまま見てまわることにした。


「その、これって昔流行ったシールですよね、この値段って普通なんですか?」


「はい、コレクターには人気がありまして、今だとこの値段で販売されているのが普通なんですよ。もちろん保存状態で値段も変わります。後はセットだったりすると値段が上がったりとか」


従業員のマイさんに色々と教えてもらう。所々分からない事がある度に質問するが嫌な顔一つもせず丁寧に教えてくれた。


「へぇ、お店をやる予定なんですねぇ。もし開店したら教えてくださいね。そのコスプレしてくれるなら絶体に行きますから」


「その、ホブマ師匠ってキャラにそんなに似ているの?」


「はい、見た目は似ていますね。でもホブマ師匠は全身傷だらけですから、実際そんな人いませんし・・・・もしかして・・・・傷があったりします?」


俺は頭を下げてそのまま2階へ続く階段を足早に駆け上がっていく。デジャブだ。


ゆっくりのんびり更新します。

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