14話 とりあえず逃げ出しました
喫茶店から緊急回避することに成功する。この後はのんびり待つことにしたのだが・・・意外な人と再開することになる。
店から鈴君を抱えたまま出てきて、店から少し離れた所で鈴君を降ろす。さっきまで不機嫌だった鈴君の機嫌は直っていた。
「大さん、やっぱりいい筋肉っすね。抱きかかえられてさらに分かったっすよ♪」
「ありがとう、一応毎日鍛えているからね」
筋肉を褒められることで、悪い気はしない。『筋肉は裏切らない、裏切るのはいつも自分』そう自分に言い聞かせて日々の日課を繰り返している。しかし、戦いにおいて筋肉が全てでは無い。なぜなら、鈴君と戦ったら俺は負けてしまうはずだからだ。見た目は小さくて可愛らしいが合気道の達人だからなぁ。必要最低限の筋肉があればいいと本人は言っていたが・・・合気道なんて誰でも出来るものでもないしなぁ。
「じゃあ、大さんそろそろ自分は行きますね。義弟さんと約束があるんっすよね?」
「あぁ、今度また改めてお礼するよ」
鈴君が小指を出してくる。少し、いや、かなり恥ずかしいが指きりして別れる。周りからは犯罪者を見るような目で見られている気がするが喫茶店の視線よりは幾分かましだった。時計を見ながら約束までの時間の数分を過ごそうと思っていると意外な人から声がかかることになった。
「先輩、お久しぶりです」
ふと声をかけられたので顔を上げると、そこには前の職場の後輩だった、ありさちゃんがそこに立っていた。そしてその姿をある2人に見られる事には気付いていなかった・・・・
ゆっくりのんびり更新します。




