2245話 これから3
久しぶりの仕事
「調子が戻ったようでよかったですよ旦那」
「いやはや、心配だけでなく迷惑もかけてしまってすみませんでした・・・・・・」
今日は閉めていたお店を2週間ぶりに開けたにも関わらず、いつものように常連さんが顔を出してくれていた。
いつもの時間に当たり前のように来て最初の一言めが俺の心配だから頭が上がらない。
「葉さんの様子も良くなってるようですしよかった」
「剣さん心配させて本当にごめんなさい。今日はお酒の値段割引にしますからお好きなだけ飲んでいってくださいね♪」
常連さんのお詫びも兼ねて今日は代金を割引することにした。
俺一人でなく葉君と二人で話をして決めた。
しばらく営業していなかったわけだから断られるかもしれないと思っていたけど、葉君は俺の意見を採用してくれた。
剣さんはいつもより早いペースで飲んでいるように感じた。元々飲む方だけどいつもより早いような気がする。
剣さんがお酒で潰れている所は見たことがないので大丈夫だとは思うけど気にしておくことにしよう。
「葉君、体調は大丈夫?」
「もちろん♪元気いっぱいだから安心して♪」
そう言って微笑む葉君の笑顔はいつもより明るく感じる。この笑顔を見たくてお店に来てくれる人もいるんだろうなとしみじみと感じる。
そんな葉君がなんで俺のことが好きなのかはいまいち現実味が無い話かもしれないが、あまり言うと葉君に怒られるから言わないことにしている。
ただこうやって前のようにまたお店を続けていけてよかったと思えるのは、俺がこの仕事が好きという証拠なんだと思う。
人間なんて少しのことで変わるんだなと苦笑する。
久しぶりの仕事は大変だったがやりがいを感じていたせいか心地よい疲れを感じることができた。
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