2241話 告白のこたえ13
許可
「今日来たのはお二人に話があったからです。本当は前もって連絡するのが礼儀だと思うのですがこんな形になってしまってすみません」
「あらあら、いいのよ気にしないで♪私もこの人も別に忙しいわけじゃないし」
「・・・・・・」
葉君の父親は黙ったままで頷いた。
「それで話しってなにかしら?」
少し間が空いてしまったので葉君の母親が心配して声をかけてくれた。
「話は葉君のことです」
隣りに座っている葉君は顔を下に向けたまま俺の上着を掴んで小刻みに震えているのが分かる。
こんな状態にさせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
兄妹で葉君をこんなに不安にさせるなんて・・・・・・
「葉君が奏と別れたことは知っていますよね?」
「えぇ葉ちゃんからも奏ちゃんからも聞いたわよ」
『えっ・・・・・・』
葉君と俺の声が重なる。
奏は2人に報告に来ていたのか?
「奏さんは私達2人に謝りに来たよ・・・・・・葉は悪くなくて自分が全部悪いってずっと謝っていたよ」
心臓の音が早くなっていくのが分かる。
そこまでしていた奏より俺が葉君のことを幸せにできるんだろうか?
いや・・・・・・決めたからここに来たんだ・・・・・・
ここで逃げたら二度目はないような気がする。
背中を奏に思いっきり叩かれたような錯覚を感じる。
ヒリヒリとした感覚が気持ちを落ち着けてくれる。
葉君が掴んでいる手を握り深呼吸する。
「結婚を前提に葉君とお付き合いすることを許してください」
自分の気持ちを2人へ伝えた。
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