2228話 告白7
結末は
「僕と奏さんが結婚したのは・・・・・・・・・・・・」
葉君の言葉が止まり顔色が悪くなっているのが分かる。
凄く言いにくいことだというのはすぐに分かった。
「ねぇ葉君、もしも言いにくいことだったら無理して」
「だめ!!」
葉君の大きな声に少し驚く。
「今、言わないと言えなくなるから・・・・・・少しだけ待って大兄・・・・・・」
葉君の言葉になにも言えなくなり待つことに決めた。
それだけ大事なことを言おうとするのは葉君の表情を見ていれば分かる。
こんな表情を今まで見たことがない。
「僕が奏さんと結婚したのは・・・・・・結婚したのは・・・・・・大兄が好きだからです・・・・・・」
「えっ・・・・・・」
葉君の言っていることがよく分からない。
なんで俺のことが好きだったら奏と結婚することになるんだろう?
「奏さんと結婚したら大好きな大兄の側にいられるから・・・・・・」
俺の側にいるために奏と結婚した?
言っている意味が分からない
「待って葉君、少し待って葉君」
自分にも言い聞かせるように言葉を口から発する。
「なんで俺の側にいるために奏と結婚したの?側にいたいなら俺に直接言えばいいんじゃないかな?」
「それはそうなんだけど・・・・・・それができたら僕だって・・・・・・でも断られたら・・・・・・僕はだめになりそうで・・・・・・」
告白を断られたらどうしようという気持ちは俺にも分かる。
いや、俺ですら分かるという言い方の方が正しいかもしれない。
「奏さんと結婚したら大兄の側にいられるから・・・・・・」
頭の中が真っ白になる。
つまりは俺のことが好きでそれを言えないから奏と結婚して側にいることにした。
なんでそんなことになるんだ?
奏はそれでよかったのか?
葉君はそれでよかったのか?
2人は結婚して幸せじゃなかったのか?
あの結婚式はなんだったんだ?
葉君の家族は知ってるのか?
色々なことが頭の中をぐるぐる回って意識がなくなりそうになっていくのが分かる。
「葉君・・・・・・もうお店は辞めよう・・・・・・それと今までありがとう・・・・・・」
「大兄・・・・・・っ、びぐっ、ひぃ、本当にごめんなさい!!!ごめんなさい!!!」
葉君のあんな死にそうな表情を見たのは二度目だ。
お店から勢いよく出ていく葉君を追いかけることはできなかった。
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