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2225話 告白4

話そう



『キィ・・・・・・』


なにも食べていないせいなのか、閉店後でお店が静かなせいかは分からないが扉の開く音がいつもより大きく聞こえた。


「大兄、早くお店を閉めたのってなにか問題でも起きたの?」


「ちょっと体調が完全じゃなくてね・・・・・・お客様には悪かったけど少し早めにお店を閉めることにさせてもらったんだよ」


「体調が完全じゃないって、もしかして熱があるとか?大丈夫なの大兄?」


「心配してくれてありがとう葉君。熱は無いから大丈夫だよ」


不安そうにしている葉君を安心させるように大丈夫と笑顔で伝える。


表情が作れていなくて酷い顔をしている可能性はあるけど心配はさせたくない。



「そっか、それならいいんだけど・・・・・・でもなんだか顔色が悪く感じるけど大丈夫?」


「ははっ、まぁ今日帰って寝たら良くなるよ」


なんの確信もない。


だけど葉君を不安にさせてはいけない。


そんな気持ちが頭をぐるぐる回って軽い目眩がする。


仕事が終わって集中力が切れたのか立っているのもやっとでバーカウンターの椅子に腰を降ろす。



「じゃあ今日はいつも以上に力を入れてご飯を作るよ♪やっぱり食べないと力が出ないからね」



食べないとか・・・・・・


今まで通り3人で会話しながらご飯を・・・・・・


頭の中で想像すると目眩と吐き気が襲ってくる。


葉君もいるし我慢しようと思ったが耐える力もなく足に力を入れてトイレまで走って向かい便座にもたれかかるようにして胃袋から上がってくる物を吐き出した。


なにも食べていないので水分だけを吐き続ける。


「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」


色々な感情が巡ってわけが分からなくなっている。


今まででと同じってなんだ?


そんなことができるんだろうか?


便座に体を預けながら湧き上がる吐き気を解消するまで吐き続ける。


なにも出なくなって喉の酷い痛みを感じた所でやっと吐き気が止まる。


何分こうしていたのか分からない・・・・・・



「大兄・・・・・・大兄・・・・・・」


葉君の泣きそうな声が聞こえる。


いや泣いているんだと思う。


「葉君・・・・・・話そう・・・・・・お湯とタオルだけ持ってきてくれるかな?」


かすれた声で伝えるとすぐに葉君がお湯とタオルを持って来てくれた。


口にお湯を含んで口の中をうがいしてタオルで顔を拭く。


少しだけ楽になったのを感じて立ち上がる。


酷い立ち眩みがしたが太腿に力を入れて耐える。


振り返ると葉君の姿はそこにはなかった。


ゆっくりのんびり更新します

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