2221話 別れ道3
自分の道
「なるほどね」
音兄は紅茶を用意してくれた後に自分の話を最初から最後までなにも言わずに聞いてくれた。
仕事が終わって疲れているはずなのに嫌な表情なんてせずに聞いてくれている。
上手く言えたかは分からない。
もしかして愚痴のように聞こえたかもしれないし、文章になっていなくて意味不明に感じたかもしれない。
それでも音兄は最後まで聞いてくれた。
「ねぇ鈴、本当に後悔しない?」
「それは・・・・・・後悔しないと思ってるよ・・・・・・それに僕にはその権利はないし・・・・・・」
「権利とかの問題じゃないわよ、鈴が後悔するかしないかが大事なのよ。この先も人生が続いていくのよ。その時にふとあの時にって後悔しない?」
「それは・・・・・・」
後悔しないって即答することはできなかった。
僕は振られるのが怖いから告白しないんだろうか?
それともあの2人に一緒になってほしいと思うから告白しないんだろうか?
考えてしまうと答えなんて分からなくなる。
ただ自分が告白したら大さんはまた両方とも断るんじゃないかって勝手に思う。
それは自分の価値を高く持ち過ぎというわけでなくて、大さんの性格だとそうなるんじゃないかと思ったからだ。
「鈴の人生だから鈴が決めるべきだと思うけど後悔はしない道を選びなさい」
音兄の言葉に頷く。
自分が後悔しない道か・・・・・・
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