2212話 借り11
報告
改札口まで見送ってくれた犬君に手を振ってお礼を言ってから終電近い電車へと乗り込む。
仕事終わりでお店に行く日以外はシフトが一緒なら犬君か鳥君が必ず駅まで見送ってくれている。
いつからかそうなったのかは覚えていないけどいつの間にかそれが普通になっていた。
悪いなと思って何度か断ったけど二人は心配だからと言って譲らなかったので今はお礼を言って送ってもらうことにしている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・・・・・」
終電間近の電車だったこともありほとんど乗客がいない。
静か過ぎて貸し切りなんじゃないかと勘違いするぐらいだ。
もし大兄や奏さんに会ってなかったらこうやって電車に乗ることなんてできなかったのかもしれないよね・・・・・・
大兄に会っていなかったら違う生き方をしていたのかな・・・・・・
携帯を見ていると大兄からの返信のメッセージを見て罪悪感に襲われそうだったので車内の広告を何往復も読み返しては溜息をつく。
母さんと父さんには話さいないといけないよね
話す日が遅れたらどんどん話せなくなりそうだから、今日父さんと母さんが起きていたら話すことにしよう。
怒られるかな・・・・・・
怒られるよね・・・・・・
奏さんの表情と言葉を思い出すと気持ちが奮い立ってくるのが分かる。
逃げるわけにはいかないよね
体が熱くなってくるような感覚を感じた。
ゆっくりのんびり更新します




