2211話 借り10
上の空
「葉さん、今日は気合が入ってたな!なんかいいことあったのか?」
「そうかなぁ?犬君がそう言ってくれるならそうなのかも?」
閉店後の掃除をしながら犬君と会話する。
素直に犬君に元気づけられたから頑張ったんだよって伝えたら嬉しそうにしてくれた。
こうやって素直に喜んでいる姿を見ているとこっちも癒やされる。
「なぁ葉さん、悩んでることがあったら言って。心みたいに頭が良くないから相談とかには乗れないけど話したら楽になることもあるから」
「ふふっ、本当ありがとう犬君」
犬君の頭を撫でながらお礼を言う。
いつもなら怒るんだけど今日は怒らない。
もしかして僕の気持ちのなにかを感じて我慢してくれているのかもしれない。
「葉さん・・・・・・葉さん!!」
「ふぇっ?」
「ふぇっ?じゃないよ葉さん!そろそろお店に向かう時間だろ?体調もし悪いなら休んだ方がいいんじゃない?」
「あぁ、うん、そうだよね、うん・・・・・・」
掃除が終わっていつもの練習をしているうちに、いつの間にか集中が切れていたみたいだ。
想像より重症なのかもしれない。
この調子で店に行っても迷惑をかけるかもしれない。
大兄に今日は休むとメッセージを送って犬君と一緒に駅へと向かう。
こんな調子で大丈夫かと我ながら不安になる。
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