2203話 借り2
乾燥
「そんなに緊張しないでほしいっす。別に喧嘩をしてるわけでもないんっすから」
そう言って鈴さんが微笑みかけてくれる。
いきなり呼び出したのに来てくれて、僕の心配をしてくれるなんて本当に優しいなって思う。
大兄が鈴さんと付き合うって決めたら諦めがつくかもしれない・・・・・・
いや・・・・・・どうなんだろう・・・・・・
僕はそんなにできた人間じゃないからな・・・・・・
「もぅ、葉さん!本当にどうしたんっすか?」
「ふぇっ?」
「ふぇっ?じゃないっすよ!さっきから表情がコロコロ変化して声をかけても反応がなかったじゃないっすか。明らかにいつもの葉さんじゃないから心配になるに決まってるっすよ」
「えっと、うん、ごめんなさい」
「それでどうしたんっすか葉さん?なにか用事があるから呼び出したんっすよね?」
目の前にある紅茶のカップを持ちゆっくりと口に含む。
そんなに話したわけでもないのに喉が少し痛くなりかなり乾燥していたんだなと苦笑する。
「ごめんなさい鈴さん。実は鈴さんに借りを返そうと思って今回ここに来てもらいました」
言ってしまった。
言ったからには後に引くことはできない。
でもそれでいいと思う。
そうでもしないとなにもなく終わってしまいそうだから。
ゆっくりのんびり更新します




