2200話 待つ側
予感
いつもより少し遅い時間に起きて熱いシャワーを浴びてリビングに行くとそこに葉君の姿はなかった。
シャワーを浴びる前にリビングから漏れる美味しそうな匂いを嗅いで葉君がいつものように朝ご飯の準備をして待ってくれていると思っていた。
「まったく、出勤がゆっくりでいいやつは気楽でいいよな」
「おはよう奏」
リビングには朝ご飯を食べている不機嫌そうな奏がいるだけだった。
「葉君は?」
「実家に帰ってるよ・・・・・・」
葉君が居なくなって寂しいという感情をぶつけてくると思ったがそうではなかったのでなにも言わずキッチンへと向かう。
一週間が過ぎてまた3人の生活に戻って今までの生活に戻る。
そう思っていたんだけど・・・・・・
作ってくれている朝ご飯をお皿に盛り付けて自分の席に座る。
それと同時に奏が立ち上がる。
どうやら相変わらず俺とはあまり会話をしたくないようだ。葉君が居なければ俺と話すこともないのかもしれない。
ただいつもの奏とは明らかになにかが違うような気がする。
ずっと同じ場所で生活してきた家族だからこそ分かるなにかと言えばよいだろうか?
それがなにかとハッキリしたことは言えないが・・・・・・
なにかが変化するのかもしれないなんとも言えない不安を感じるとせっかくのご飯に手を付けることができなかった。
あと少しゆっくりのんびり更新していきます。お付き合いいただければ幸いです。




