2193話 夫婦の約束3(奏side)
愛情
「一緒に生活するようになって私なりに葉君に愛情を伝えてきたと思うけど葉君の気持ちに変化はあった?」
「・・・・・・・・・・・・」
葉君は私の答えに首を振ってから申し訳なさそうにする。
葉君の優しさが伝わって逆に申し訳ない気持ちになる。
葉君の答えを聞かなくても答えなんて分かっていた。
3人で暮らし始めてから葉君の愛情は私とそれ以上に大に向かっていた。
葉君のことを愛していてずっと見ていたからこそ分かることもある。
最初から分かっていたことだけどやっぱり辛いもんだなと染み染みと感じている。
でもこれから先のことを考えたら確認しておかないと前に進めない。
大には悪いけど私は葉君のことを愛している。
それは出会って提案をして一緒に暮らし始めてから少しも変わることはなかった。
むしろ前よりも気持ちは強くなっている。
でもそれは葉君だって同じで大に対する気持ちが前よりも大きくなっているのは見ていて痛いほどに伝わっていた。
あの大がその気持ちを理解しないで接しているのには、怒りが溢れてどうしようもなくなりそうだったがそれを私が言うのはおかしな話になる。
そもそもそれを私が言うことで葉君が大の近くに居れなくなったら葉君になんて謝っていいか分からない。
惚れてしまった私は見守ることしかできないでいたんだ。
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