2167話 変化36(奏side)
眠気
「先輩、なんだか眠そうですけど大丈夫ですか?」
「ふぁあ、朱ちゃんは今日も可愛いね」
「はぁ、まだ寝ぼけてるじゃないですか。そんなんじゃ怪我しちゃいますよ。しっかりしてください先輩」
心配してくれる朱ちゃんにお礼を言ってから自動販売機で珈琲を買う。
休憩室のソファーに腰を降ろしてゆっくりと珈琲を飲む。
仕事の開始までまだ数十分の余裕があるから珈琲の効果が仕事までに出てくれたらいいなと思う。
坂本さんはもう職場に向かってしまっている。
朝は私より早く起きて準備をして私より早く仕事を始めている。
これで性格も悪くなくて仕事もしっかりしているから信頼されるよなと感心する。
家事とかなんにもしない私を無条件で居候させてくれてるのに感心なんて言葉を使うのはおかしいよな。
感謝の気持ちしかない。
「そういえば先輩、カプセルホテルの暮らしはどうですか?」
「あぁ、あれはもうしてないよ」
「もう家に戻ったんですね。それがいいですよ」
「今は坂本さんの家に居候させてもらってる」
「へぇ、そうなんですね・・・・・・てっ、なんでそうなったんですか!?」
急に驚いて顔を近付けてくる朱ちゃんの頭を軽く撫でて落ち着かせる。
よくよく考えたら朱ちゃんが驚くのも無理ないよなと思う。
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