2152話 変化21(奏side)
仕事人間
「しかし本当に仕事以外はへっぽこだな奏は」
そう言って坂本さんは私の頭を軽く叩いて微笑む。
悔しいがなにも言い返せない。
坂本さんはシングルマザーをしていて、家事全般を一人でやって仕事でも管理職をしているのに疲れた顔を見たことはない。
私は仕事以外のことは全部葉君がやってくれているからなんとか生活ができていることを、この一週間の生活で自覚させられている。
葉君と別れたら一人で生活なんてできるんだろうか・・・・・・
坂本さんにこれ以上迷惑をかけるわけにもいかないし今後のことを考えないといけないよな・・・・・・
「はぁ・・・・・・・・・・・・」
「奏がここに居たいなら好きなだけ居たらいいさ。子供が一人増えるぐらい問題ないからな」
「子供扱いですか坂本さん?」
「ふふっ、洗濯すら一人でできないやつがよく言うよ。よく今までやってこられたな。いくらなんでも葉君に甘え過ぎだろ。これを気に洗濯のやり方ぐらい覚えたらどうだ?」
坂本さんの言うことは正論過ぎてなにも言い返せない。そもそもお世話になっている時点で言い返すもなにもない。
「奏が落ち着くまで家にいたらいいさ。働いてる奏は信頼してるからさ」
そう言って坂本さんが微笑む。
坂本さんの言うようになにか一つでもできることを増やそうと頑張ってみることにした。
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