2148話 変化17
緊張
いつも以上にお店の中が静かに感じる。
一人じゃなく葉君もいるのにまるで誰もいないような感じを受ける。
「ねぇ大兄・・・・・・なんだか公演の時よりも緊張してるんだけど?」
葉君が仕事着のスカートの裾を触ったり髪の毛に触れたりしている姿を見るかぎり、かなり緊張しているのが分かる。
「葉君の気持ちは凄く分かるよ」
自分も綺麗になっている床を、モップを持ってさらに清掃しているので落ち着いてないんだと思う。
「明後日はどうかな大兄?仕事前なら僕は時間を作れるんだけど」
「俺は基本的には時間があるから大丈夫だよ。ただ山田さんと後任の人の都合がいきなりだと難しいんじゃないかな?」
「気になさらず。明後日のお昼頃がよいですかね?」
即答する山田さんに二人で頷いた。
時間はすぐに経過してもうすぐで山田さん達が到着する予定の時間が近付いている。
自分達で日にちを決めたのに後悔しているのは情けないとは思うが、遅くした方が緊張する気がしたから仕方がない。
『店の前に到着しました。入ってもよろしいですか?』
山田さんから携帯電話に連絡が入ったので葉君と一緒に入口へと向かう。
いつも以上に重く感じる扉を開けるとそこには山田さんともう一人知らない人が立っていた。
この人が後任の人ということだろう。
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