2123話 経営者と管理者155
イケメン
「ところでリリィ、大兄にくっつき過ぎじゃない?」
さっきまで笑顔だった葉君の表情が曇ったように感じる。正確に言うと表情は笑顔なはずなのに全く笑っていないように感じる。
自分でもよく分からないことを言っているのは分かっているが、背中に感じるピリピリとした感覚から危険を感じているのは間違いないと思う。
「そうかな?前にもこうやってたような気がする。それに大が嫌がってないなら大丈夫じゃないか?」
「そうだね、うん、リリィの言う通りだね♪」
葉君の口元がゆっくりと上がっていく。
『・・・・・・・・・・・・』
雪でも降り出したんじゃないかと錯覚するぐらい寒気を感じる。
「ねぇ、大兄・・・・・・リリィを膝に乗せてるのは楽しい?」
「えっ、楽しい?」
質問の内容が変な気がする。
嫌か嫌じゃないかならまだ分かるが『楽しい』って質問はどうなんだろうか?
「そうそう楽しいからリリィを膝の上に乗せてるのかなって思って♪」
なにか言おうにも言葉が出てこない。
沈黙が一番良くないとは思いつつも適当なことを言うこともできない。
「休憩は終わりにして再会しようか葉。リリィもこっちにきな」
リサさんがスマートに現れて右脇に葉君を左脇にリリィを抱えて離れていく。
歩いて行く途中で振り返って俺に軽くウインクしてまた歩き始める。
イケメン・・・・・・
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