11話 男の娘喫茶心得
お店のルールにしっかりと目を通し、初めての喫茶店の雰囲気にやっと慣れてきたのだが、
店内ルール
ルールを守れないお兄様には、出入禁止とさせていただきます。
1、従業員は必ず名前で呼んでください。恥ずかしさは捨ててください。
2、従業員にボディタッチはご遠慮下さい。ただし、従業員からのボディタッチはあるかも・・・・・・頑張れお兄様
3、店内・店外での従業員へのナンパ行為は禁止です。見つかり次第、出入禁止とさせていただきます。
4、出された料理は残さず食べましょう。美味しくなる魔法は無料です♪
5、店に入るときは『ただいま』帰る時は『行ってきます』と従業員に伝えてください。恥ずかしさは捨ててください。
6、プレゼントは原則禁止ですが、誕生日の時のみイベントを行いますので、その時お渡しBOXに入れてください。高価なもの、食べ物、飲み物は受け取れません。プレゼントは気持ちですよお兄様。
7、ここは普通の空間とは違う世界です。現実の事は忘れてお楽しみください。恥ずかしさはいりませんよ。
なるほど、なるほど、ルールにしっかりと目を通す。
「ほら筋肉兄、さっさと選べよ、暇じゃないんだからさ」
「そうだね、ごめんごめん。えっとその・・・何というか・・・初めてだから・・・その何を頼んでいいか分からなくて、ミクのオススメでお願いします。」
「そ・・・そっか・・・初めてなら仕方ないなぁ・・・・今日は特別だからな・・・待ってろよ筋肉兄」
顔を赤くして奥に入っていく。初心者にも優しい従業員さんだと感心する。顔を赤くしていたのは何かのサービスなのだろうかと考えるが、いまいち分からないので後で、鈴君に聞こうと思う。
「大さん、僕の事忘れてないっすか?」
何故か不機嫌そうな目で睨まれる。そうだ、俺はお礼をしないといけなかった。それなのに店のルールや従業員の事を見ていて、鈴君をほっておいてしまったのが不機嫌の原因なのだろう。申し訳ないと謝りつつ鈴君の好きなものを頼んでいいよと伝える。
「何でも大丈夫っすか?」
「もちろん」
「本当に本当っすか?後悔しないっすか?逃げ出したりしないっすか?」
「あぁ・・・大丈夫だよ」
メニュー表の値段を見て自分の財布の中身を確認するが、全ての物を注文しても大丈夫なくらいお金は入っている。大丈夫だよと伝えると急に満面の笑みを浮かべてメイドさんに注文をする。これがのちのち後悔することになるとは今はまだ思わなかった・・・・・
謹賀新年。今年もゆっくりのんびり更新します。