174話 いつもとは違う朝
目が覚めて・・・・・・昨日のことを確認することに
目覚まし時計の音が部屋中に鳴り響く。正直頭が重くてすっきりしない。目覚まし時計を止めて二度寝することに決めた。頭がすっきりしないし布団が暖かくて柔らかくていい匂いで気持ちいい。
「んっ・・・・・・すぅ・・・・・・大にぃ」
布団に戻ろうとした時に葉君が寝ているのに気がつく。なるほど、それは寝心地がいいよね。葉君を抱き上げて部屋に連れていきベッドに降ろす。無防備すぎる葉君を見て溜め息をつきながら頭を掻く。
部屋を出て洗面所へ向かい顔を洗う。冷たい水が意識を覚醒させてくれる。タオルで顔を拭き玄関へと向かう。
体調は昨日に比べると大分いい。靴を履き外に出て準備運動を始める。昨日あったことは夢か現実か確かめに行こう。いつものあの場所で多分待ってくれているはずだ。いつもよりペースが速い気がするがそんなことはどうでもいい。
まずは
「おはようっす大さん♪」
「おはよう鈴君」
確認してみよう。
相変わらず鈴君に勝てる気はしないが何とか後ろをついていく。いつもよりペースが遅い気がする。そうでなければ体調の完全に回復していない俺が鈴君の隣を走れるわけがない。もしかすると鈴君の調子が悪いのだろうか?
階段を上って下がりゴールの自動販売機の前に到着する。整理運動をしながら鈴君の様子を確認するとこちらを見て微笑みを返してくれる。顔色も悪くないし体調が悪そうではない。
「鈴君、体調が悪かったりしない?」
「自分の体調は絶好調っすよ♪何でそう思ったんっすか?」
不思議そうな顔で見つめてくる。
「いや、今まで鈴君と長い時間並べて走れたことがなかったから、鈴君の調子が悪いんじゃないのかと心配になって」
鈴君が耳を貸してと言われたので屈んで耳を近づけると。耳朶を軽く咥えながら
『大好きな大さんと一緒に走りたかっただけっすよ』
と囁かれる。不意の刺激に慌てて離れる。
「ちょっ!!!!!鈴君いきなり!!!!」
「大さんは行動で示しておかないと信じてくれないっすからね。もっとエッチなことがよければしてもいいっすよ♪」
いつものように小悪魔のように微笑む。
昨日の出来事は夢じゃなかったみたいだ・・・・・・
それならば答えを出して伝えなければいけない・・・・・・
それがどれだけ残酷な答えだとしても俺は伝える義務がある・・・・・・
「そうだね、もし鈴君と付き合うことに決めたら覚悟してね」
そう言って頭を撫でると鈴君が大人しくなる。やっぱり調子が悪いと心配になり昨日見送ってくれた駅まで一緒に歩くことにした。
ゆっくりのんびり更新します。




