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173話 お願い

葉君の素直な気持ち

「ねぇ大兄・・・・・・何でも言うこと聞いてくれるんだよね?」


熱いお茶を飲んでいると鈴君がいつものように自然と膝に乗ってくる。相変わらず軽い。ちゃんと食べているか心配になるぐらいだ。


「俺にできることだったらね。何か欲しいものとか行きたい場所があるのかい?」


「大兄・・・・・・キスしてって言ったら・・・・・・してくれる?」


想像していなかったお願いに喉の途中まで入っていったお茶が逆流してむせる。


「こほっ、つ、っ、葉君、何の冗談だい?」


咳をしながらゆっくりと呼吸を整える。鈴君の告白のこともあり頭の中が真っ白になって何も考えられなくなる。もしかして葉君も俺のことを好きだったりするのだろうか?でも可能性はかなり低いと思う。


まず大前提として俺が葉君に好かれる理由が思い付かない。それに葉君は奏の旦那様だ。二人が喧嘩している所なんて一度も見たことがない。それなのに膝に乗って潤んだ瞳で葉君に見つめられるとその瞳から視線が外せなくなる。


「冗談じゃないよ大兄・・・・・・さっき電話で聞いたよ。鈴さんに告白されたんだよね?」


服を小さな手でぎゅっと掴み答えを聞くまでは離さないと伝えてくる。何で鈴君は葉君にそのことを伝えたのか分からない。


「そうだね鈴君に告白された・・・・・・頭の中はぐちゃぐちゃでまだ夢だと思っていたけど現実なんだね・・・・・・」


自然と手が伸びて葉君の頬を撫でる。葉君はどういう気持ちで『キス』なんて言ったんだろう?


だめだ・・・・・・


考えがまとまらない・・・・・・


冷静に考えることも難しい・・・・・・




「大兄・・・・・・」


葉君何を言うつもりなんだい・・・・・・


「僕は大兄のことが・・・・・・」


俺は人に好かれるわけがない・・・・・・


「鈴さんよりずっとずっと大好きです・・・・・・奏さんには悪いけど・・・・・・多分、初めて会ったあの時から僕の気持ちは大兄に傾いていたんだと思う」



えっと・・・・・・よくわからない・・・・・


一日で考えられる量を越えている。


葉君と鈴君が俺のことを好き?


いったい何の冗談だ?


そういえば今日は朝から体調が悪かった。もしかしたら長い夢を見ているのかもしれない。部屋で寝て明日、目が覚めたら色々整理しよう。


「本当にごめん葉君・・・・・・すぐに答えは出せない。言い訳にはならないけど朝から体調が悪くて・・・・・・今日は休ませてもらうね」


葉君を抱き上げて部屋に運びベッドに寝かせて自分の部屋に入りベッドに倒れると完全に意識が無くなった。

ゆっくりのんびり更新します。

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