9話 義弟の職場に向かったのはいいが、情けないことに迷っています。
葉君とお店に見に行く約束をしたので職場に向かうが、いい歳をして道に迷う。そんな時に、知り合いが現れて。
一応人物紹介です。気にならない人は本文へお進みください。
鈴谷 鈴
年齢 19歳
身長 153センチ
体重 40キロ
絶賛巡回中
The 後輩君
「ふぅ・・・・・・」
早朝5時から毎日行っている、日課の10キロマラソンと、100回のスクワット3セットを終えてシャワーを浴びる。最近外が寒くなってきたので、ツンと肺の中に入る空気がとても心地よく冬に行う日課は、とても気に入っている。最初の頃は190センチを越えるプロレス体型のボウズの大男が、まだ外が暗いのに外を走っているので、不審者と間違われて、職質されることもあったが、今では挨拶をするぐらい警察の方とは仲が良くなった。
朝の楽しみである珈琲を味わう為に、やかんに水をいれてお湯を沸かす。ケトルという便利なものも、家にあるのだが、やかんの方が何だか美味しく感じるのでいつもこうしている。最近小さいサイズの、珈琲豆を煎る機械も出たらしいので、是非とも今度買いに行きたいものだ。
テレビのニュースを見ながら珈琲を飲み目をつぶる。一口目がとても美味しく感じる。これも感じるだけだが。携帯にメールが来ているので目を通す。奏からの昨日の謝罪と葉君からの今日の打合せについてだった。昨日は葉君に迷惑をかけてしまったから、売上に貢献することでお詫びしようと、約束の時間より早く出て葉君の職場に向かう。
いつ来てもこの商店街は賑やかだなと感じる。店の種類から、人種まで、様々揃っている。ごちゃごちゃしているというか、何でも揃っているというか、とにかく騒がしい商店街だ。地下鉄からすぐの場所に商店街はあるので交通の便は良いと言っていいだろう。しかし、商店街自体は初めて来たわけではないのだが、葉君の職場には行った事が無いので少し迷っている。まぁ散歩がてらで丁度いいのだが、時間に遅れてしまっては申し訳ない。そんな時、後ろから誰かに抱きつかれる。
「大さん、相変わらずデカイ背中っすね。1坪いくらっすか?」
「鈴君か。びっくりした。どうしたんだいこんな場所で?」
一番最初に職質を受けた警察だ。ぷるぷると震えながらも、声をかけてきたのを見て、正義感の強いように感じた。見た目は葉君と一緒で可愛らしい美少女のようだが、合気道の達人クラスなので舐めてかかると大変な目にあう。実際、自分より大きな相手を肩までの髪の毛をなびかせながら投げる姿を見て感動したくらいだ。
情けない話しだが時間に遅れるよりはいいと、鈴君に葉君の働いている場所を聞くと鈴君が少し戸惑ってまじまじとまつげの長い大きな瞳で俺を見上げてくる。
「大さん、そんな趣味だったんすか?」
「趣味も何も、そこで働いている子と約束をしていて・・・・・・」
一瞬、鈴君の目が鋭くなる・・・・・・
「それて、大さんの彼女っすか?」
「違う違う、妹の旦那さんだよ。つまりは義弟」
「何だ、そうっすか♪」
ころころと表情を変えながら鈴君が可愛らしく微笑む。見ていて犬のようで可愛らしい。
「じゃあ、自分今日休みなんで付き合うっすよ♪」
そういって手を繋がれ引っ張られていく。あの・・・・鈴君・・・・周りの視線が気になるんですが・・・こうやって俺の職質レベルは上がっていく。
ゆっくりまったり更新します。




