159話 寝るまでの間、話をしよう
答えを出さないといけない。
「葉君、一緒に寝るにはベッドが小さいからね・・・・・・」
袖を掴む指先の力を弱める為に優しく頭を撫でる。こうすると葉君の力が抜けるのは知っている。ずるいかもしれないがしょうがない。
「みゃぁ・・・・・・大にぃ・・・・・・大好き」
起き上がり抱きついてきてごろごろと猫のように甘えてくる
「俺も葉君のことが大好きだよ。葉君には感謝しかないよ。俺と奏の側にいてくれてありがとう」
頭を優しく撫でながら感謝の気持ちを伝える。
「ねぇ大にぃ・・・・・・私と葉さんのどっちが好き?」
んっ・・・・・・どちらも葉君の気がするけど?
「そうだなぁ・・・・葉君かなぁ」
「みゃはぁ、じゃあ結婚すりゅ♪」
「うーん・・・・・・葉君は奏の旦那様だからなぁ」
「むぅ・・・・・・だったら鈴さんとは結婚するの?」
顔を近づけて心配そうに見つめてくる。何で鈴君の名前が出てくるのかは分からない。多分かなり悪酔いしてしまっているんだろう。
「ははっ、鈴君とは結婚しないよ。それに鈴君は俺のことなんて好きじゃないよ」
落ち着かせるように頭を撫でる。
「大にぃが思ってるより大にぃのことを好きな人はいるんだよ、少なくても僕は大にぃに凄く感謝してるし凄く大好きだから・・・・・・」
真剣な瞳で見つめてくる。
膝の上に乗るこの折れそうな程小さくて柔らかな身体を瞳を見ないように抱きしめる。
どうやら悪酔いしているのは俺の方だ。
葉君の背中を赤ん坊をあやすように優しく撫でる。しばらくすると葉君の寝息が聞こえてくる。身体を離してベッドに寝かせる。
頬を叩き部屋から出て扉にもたれるように背中を預けながら床に崩れるように座り込む。
「危なかった・・・・・・」
もし葉君が寝てくれなかったら危なかったかもしれない。自分の欲望のままに味わって壊してしまったかもしれない・・・・・
俺が鍛えているのは大切な人を守るためであって壊すためではない。
最近の俺はおかしい。葉君と鈴君が俺のことを異性に感じる好きと思っているように感じてしまうことがある。そんな風に感じるのは俺が二人をそんな目で見てしまっているのかもしれない。
最低だな俺は・・・・・・
外に出て冷たい風を体に浴びる。熱くなった体の熱がとれていくように感じる。もし俺の考えていることが間違っていたらそれでいい。二人が俺と一緒に居たくなくなったら離れていくだけだ。
もし間違っていなかったら俺はどうしたらいいんだろうか・・・・・・
ははっ・・・・・・馬鹿か俺は・・・・・・
結局外の風を浴びながら朝を迎えることになった。
ゆっくりのんびり更新します。




