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158話 ご飯の後は

人はいくつになっても成長できる。

『おかわり』


何杯目のおかわりだろうか。葉君の作ってくれたご飯を奪いあうように奏とお皿の料理を食べる。気がついた頃には皿の上の料理は綺麗に無くなっていた。


「ふふっ、二人とも慌てすぎだよ」


お茶を二人分出した後に葉君がお皿を洗い始める。手伝おうとしたが今日は疲れたと思うからと言われて断られた。お茶を飲み終えて落ち着くと奏もすっかり落ちついていた。


「奏、どうする?」


「葉きゅんを怒らすのは嫌だからやめておく。結構楽しみにしてたんだからな」


そう言って冷蔵庫から大量にビールを持ってくる。最近こうやって奏と一緒に飲む機会が増えてきた。昔から考えたらこうやって奏と飲む時間ができたのは不思議な気がするが二人きりの家族だからこうやって仲良く飲めるようになって嬉しい。


それもこれも葉君のおかげだ。感謝してもしたりないくらいだ。


「なぁ大、まだ飲むか?」


「そうだなぁ、もう一本だけ」


「もぅ・・・・・・二人とも飲み過ぎないでよ」


葉君がおつまみを運びながら心配をしてくれる。気をつけるよと伝えてビールを飲む。何だか今日のビールは美味しく感じる。


「大・・・・・・今日さ・・・・・・父さんと母さん・・・・・・悠たんに会ってきたよ」


奏がビール缶を手で潰しながら呟く。



そうか・・・・・・奏のやつ・・・・・・ついに向き合ったんだな・・・・・・


「そうか、偉いな奏は・・・・・・」


奏の頭を撫でる。


「気持ち悪いからやめろ・・・・・・」


すぐに手を払われる。いつもと違ったのは殺意を感じなかったことだ。普段は酔いつぶれることのない奏だが珍しくつぶれてしまったようで抱き上げて奏の部屋に運び布団に寝かせる。


下に降りていくと葉君が椅子に座って待っていた。腕にビール缶を持ちながら。


「ねぇ・・・・・・大にぃは好きな人いるの?」


顔を真っ赤にしながら尋ねてくる。肌が白いから酔っぱらうと本当に真っ赤になる。葉君は普段飲まないのだがたまに飲むことがある。


ただ飲んでほしくない理由がある。理由は簡単で絡み酒だからだ。その上少量で酔っぱらってしまう。


「ほらぁ、大にぃ答えにゃはい。答えにゃいと僕おこるよぉ。こわいよぉ」


手を上げて威嚇しているつもりだがただ可愛いだけだ。このままにしておくわけにもいかないので布団まで運ぶために抱き上げ二階へ運ぶ。羽のように軽く年下の葉君に甘えてしまっている自分に罪悪感を覚える。


葉君をベッドに寝かせて離れようとすると袖を掴まれる。


「大にぃも一緒に寝よ・・・・・・」


葉君を寝かせるために少しだけ話をすることにした。

ゆっくりのんびり更新します。

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