137話 週末の商店街3
鈴君の必殺技。
「ふふっ、どうしたんっすか大さん。何だか疲れた顔してるっすよ♪」
「誰のせいだと思ってるんだい鈴君?」
「えぇ、自分は分からないっすねぇ♪」
いつものように小悪魔のように微笑む鈴君。今日分かったことはどう頑張っても鈴君には勝てないということだけだ。もちろん葉君に勝つのも無理だろう。そういえば葉君が化粧したらどうなるんだろう・・・・・・想像する前に胸の筋肉が痙攣する。筋肉が俺に止めろと警告してくれたのだろう。感謝するように胸の筋肉を叩く。
時計を見ると6時を越えていた。夕食時ということもあって商店街に人が増えてきた。そろそろ夜ご飯にするのにいい時間だろうか。2日連続で雲に行くのもなと考えていると鈴君が回転寿司のお店を見ていた。
「ここにするかい鈴君?」
「大さんはここで大丈夫なんっすか?」
大丈夫だよと伝えてお店の中に入る。お店は混み合う前のようで直ぐに席に案内してもらえた。
液晶に表示されているもので注文をおこなうようで鈴君が注文係りをやってくれた。流れてくるお皿を取って机に置く。家族連れから団体さんまで色々なお客が楽しそうに食事している。鈴君はサーモンがお気に入りのようでそればかり注文している。俺ものんびりと注文をお願いしながらお茶を飲む。
食事を終えて外に出ると辺りは暗く寒くなっていた。商店街の装飾はクリスマスの準備が始まっている。クリスマスが来て年があけて、その時に俺は何をしているんだろうか。
「大さん、クリスマスはどうやって過ごしてるんっすか?」
「去年までは会社の食事会に参加してたかな。今年は一人で雲で食事をしようかと思ってるよ」
「寂しいクリスマスっすね。しょうがないから自分も一緒に雲で食事するっすよ♪」
断る理由も無いので鈴君と食事をする約束をする。ただし二人のどちらかに恋人ができたら約束は無効にすると条件をつけた。鈴君には可能性があるから俺がそれを奪ってはいけない。鈴君は不服そうに見上げてくるけど条件は変えなかった。
駐車場に向かい車に乗り鈴君と待ち合わせした駅へと向かう。駅の近くの駐車場に車を停めて助手席を開けて鈴君が降りるのを確認してから鍵を閉めてから駅まで見送りをする。
すっかり夜になってしまった。今頃葉君が晩御飯を用意して待ってくれているかもしれない。
「じゃあね鈴君」
駅前で別れを告げると鈴君が耳を貸してと手招きされたので屈んで耳を傾ける
「今日はとっても楽しかった・・・・・・大好きっすよ大さん・・・・・・」
その直後に首筋に吸い付かれる。俺が訳が分からずぼーっとしているといつものように悪戯っぽく微笑まず顔をうつむかせ鈴君は走って去っていった。
俺は何も言えずその姿を見送ることしかできなかった。
ゆっくりのんびり更新します。




