135話 週末の商店街
商店街に戻ってきました。
久しぶりの車の運転に少し心配だったが問題なく運転できていてほっとしている。今日は自分一人じゃなくて隣に鈴君が乗っているから特に緊張して運転している。
「ふふっ、楽しかったっすね大さん。また今度誘ってほしいっす♪」
「鈴君がよければまた行こう。最初は喜んでもらえるか心配だったけど楽しんでくれたようでよかったよ」
商店街の駐車場に車を停めて助手席を開けて鈴君が降りるのを確認してから鍵を閉めて出口に向かう。ここから何処に行くかは決めていない。食事の時間迄にはまだ少しあるから目的もなく歩いてみようかな。
「鈴君、行きたいお店とかってある?」
「そうっすねぇ。ゲームセンターなんてどうっすかね?」
ゲームセンターか昔はよく葉君と遊びに行ったな。今度久しぶりに誘ってみようかな。商店街には何ヵ所かゲームセンターがある。それぞれのゲームセンターが他のお店を意識して各店舗は他の店舗とは違う個性を出しているようで、どの店舗も週末ともなると賑わっているようだ。昔によく行っていたお店の店長さんからそんな話を聞いた。
鈴君と一緒に入ったゲームセンターはUFOキャッチャーや写真を撮る機械が並んでいてどちらかというとカップルが多い店だった。カップルが仲良くぬいぐるみを取るのに必死だったり若い子やカップル達がいっぱい並んだ写真を撮る機械の中から好きな所を選んで楽しんでいる。俺からしたらどれがどれか分からないのだが。
「鈴君、何か欲しいものでもあるのかい?」
カップルや若い子が中心に来るこの店舗は、足を踏み入れることは無かったので場違いさを感じつつ鈴君に声をかける。
「ふふっ、周りはカップルばっかりすね。自分達も他から見たらそう見えてるかもしれないっすね♪」
鈴君がにやにやしながら見上げてくる。
「大丈夫だよ鈴君。鈴君と俺とじゃ親子にしか見えないから安心して」
いつもからかわれているからなぁ。普通にしておかないと。鈴君を見ると不機嫌そうに見上げてくるのだが化粧のせいだろうか?
いつもより破壊力がある。
「大さんは本当にあれっすよね。そんなんじゃモテないっすよ」
「うっ・・・・・・それを言わないでくれよ鈴君。確かにモテたことはないけど。じゃあどうしたらモテるか教えてくれるかい?」
膝を曲げて鈴君と目線を合わせて聞いてみる。
うっ・・・・・・近くで見ると鈴君って本当に綺麗な顔をしてるよな。もしかしたら男性にも告白されたりしてるんじゃないだろうか。
うわっ・・・・・・しまった視線をそらされた。そうだよなこんな至近距離でおっさんに見つめられたら嫌に決まってる。すぐに立ち上がると鈴君が俺の袖を引っ張り写真を撮る機械を指差した。
ゆっくりのんびり更新します。




