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5話 新しい朝がきた。絶望の朝がきた。

拷問のようなアニメ鑑賞が終了して何とか休めると思ったが・・・妹の奏が家にやってきて新たな拷問が開幕した。

はぁ……外の光が眩しいなぁ……


人の気持ちを考えず天使のような寝顔で眠る葉君を、ベッドに寝かせてキッチンに行き、やかんに水を入れて火をつける。


徹夜したかと聞かれたら「はい、そうです」と即答する。

拷問でしたかと聞かれたら「はい、そうです」と即答する。


はぁ…溜め息しかでてこない、仕事をしていた方がよっぽど楽だなと苦笑する。水の沸騰するやかんの音に火を止めてインスタント珈琲の粉をお湯で溶かす。今日はいつもより濃いめにする。理由は聞かないでほしい。そういえば徹夜でアニメ鑑賞の時に、何度も携帯が鳴っていた気がするが、葉君の匂いと膝の上に柔らかい感触を与え続けえられる苦行に耐えるのに必死で、携帯に出ることができなかった。着信履歴を見てゾッとする。


妹からだった……


死んだな…これ…


とにかくまずい。

葉君は俺のベッド。

携帯にも出ない。

あれ…これ…言い逃れできなくない?


そして当然のように玄関の扉の鍵が開いて、肩までの髪が逆立っているんじゃないかと錯覚するくらいの殺気を帯びた妹が現れる。


「おい(ひろし)!!!」


切れ長の鋭い瞳で睨み付けながら慣れた様に的確にローキックで俺の足を弱らせてから、女性にしては身長は高い方だが俺が大柄のせいか胸ぐらを掴んで自分に引き寄せる。昔から妹の奏は遠慮が無い。昔はこんな感じでは無く、気の弱い守ってあげたくなるような理想的な妹だったはずなのだが・・・・・・


いつからだろうか妹との関係が変わったのは・・・・・・思い出せない・・・・・・いや考えるのが面倒くさい・・・・・・しばらくは、目を合わせようとしても、逸らされ、話し掛けても舌打ちされるという関係だったのが今は話してくれる関係になったのだから大分マシな関係になったと言えるだろう。世間的に考えたら普通ではないのかもしれないが。


「奏落ち着いて話そう、話せば分かるから」


「葉きゅんはどこ?」


『えっ・・・きゅん・・・40を超えたばばあがきゅん!???』


心の声は外に出ていないはずだが無言で殴られる。


「今、失礼な事を考えただろ?」


「イイエ・・・マッタク・・・カンガエテナイ・・・」


片言になってしまったが何とか誤魔化せただろう。とりあえず葉君を部屋から外に出しておかないと死んでしまう可能性がある。奏が俺の部屋の扉に手をかける前に無理やり割り込んで部屋に入っていく。葉君はどこだ?部屋の様子を確認する。

ゆっくりのんびり更新します。

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