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130話 水族館にて4

鈴君の攻撃。

「なーんだそっか。お姉ちゃんはガッチリした人が好みなんだね」


「まぁ、そうっすね。やっぱり男は鍛えないと♪」


おじさんと別れたら僕と付き合ってねと言って会場から離れていく。


ふむ・・・・・・イケメンの男の子が声をかけているんだ。俺もそういう努力をしないといけないのかなと、女性にいっぱい声をかけている自分は想像できなかった。


鈴君が男とばれずに済んだのはいいと思うのだが俺なんかと恋人と見られるのは申し訳ない。鈴君は見た目は確かに可愛いが女性にだってモテるはずだ。変な噂がたってしまっては鈴君のこれからが心配になる。


「鈴君、さっきのことなんだけど」


「何っすか大?」



んっ・・・・・・なぜ呼び捨てなんだろうか?


そうか、先程の話を聞いていた人が周りにいるかもしれない。水族館から出るまでは恋人のふりを続けないといけないということだろうか。嫌だと思うが我慢してもらうしかない。


しかし腕を組むのは中々に恥ずかしい。鈴君でこれだけ恥ずかしいのだから彼女が出来た時には更に恥ずかしい気がする。それに身長差があるから鈴君が歩き辛いかもしれない。


そうなると・・・・・・


手かな・・・・・・


でもなぁ・・・・・・


わしおっさんやしな・・・・・


腕を組んで考えている俺を鈴君が心配そうに見上げてくる。


「大、どうかしたんっすか?」


大きく息を吐き頬を両手で思い切り叩き気合いを入れる。


後で謝ろう。


手を伸ばして鈴君の手を握って会場から出ていく。小さくて柔らかい手の感触からは組手の時に俺が投げ飛ばされる想像がつかない。


「り、鈴、その、喉渇かないかな?」


少しの間しか手を繋いでいないが自分の方が喉がカラカラになっている。


何だこの緊張感は?


手汗ヤバくないだろうか?


「あの、鈴、その手を握られるのが嫌だったら」


「ふふっ、嫌じゃないっすよ♪大が積極的だからびっくりしただけっすよ♪」


いつものように悪戯っぽく微笑んでいるだけだが化粧や服やこの環境が鈴君をいつもより可愛く感じさせた。


もし・・・・・・女性だったら・・・・・・


やめよう、この考えは鈴君に失礼だ。


もし、鈴君に告白されたら俺はどうするんだろうか?


まぁ、そんなことは無いから大丈夫なんだが。自動販売機でジュースを買いソファーに座って待ってくれている鈴君にジュースを渡す。


喉が渇いているせいか500ml缶のジュースは一気に空になる。二本目を買いに行こうとすると鈴君に袖を掴まれ止められる。


「自分は一口飲みたかっただけなんで残りは大にあげるっすよ♪」


ニヤニヤしながら鈴君が缶を差し出してきた。

ゆっくりのんびり更新します。

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