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127話 水族館にて

鈴君にはやっぱり勝てない。

普段は浴びない視線に少し戸惑いながら水族館の中を見てまわる。鈴君は楽しんでくれているだろうか。見下ろすとそれに気がついたのか見上げてくる。


「大さん、自分と一緒で嫌じゃないっすか?」


化粧のせいなのかいつもと反応が違うからなのかは分からないが予想していなかった反応に目を背けてしまう


「あっ、鈴君、そのジュゴンがいるよ、可愛いなぁジュゴンは」


明らかに変な反応を返してしまう。駄目だろうこんな反応じゃ。これだと鈴君と居るのが嫌みたいな反応じゃないか。お前は何様のつもりだ?


「あの・・・・・・すいません大さん・・・・・・自分一人で帰る」


組んでいた手を離して去って行こうとする鈴君の腕を掴んで引き止める


「楽しいよ、鈴君と居ると俺は楽しい。鈴君はこんなおっさんと居るのは嫌だと思うけど、鈴君と一緒に居て嫌だと思ったことなんてないよ」


「本当っすか?でも今日はいつもと違って顔を合わせてくれないっすよね?」


泣きそうな顔で見上げてくる。


言えるわけないだろう。化粧のせいもあって見つめていると緊張するからだなんて。


ただの変態ですよ


逮捕案件ですよ


あっ、鈴君は警察だから大丈夫か


そうじゃなくて、困ったな。でも上手い言い訳が思い付かない。そもそもここで上手い言い訳が思い付いた所で何になるんだ?解決にはならない。


決めた。


素直な気持ちを伝えよう。


「鈴君と顔を合わせないんじゃないよ。今日の鈴君が可愛いから顔を合わせていられないだけだよ」


はぁ・・・・・・終わったかな俺の人生も。捕まったら名前出るよな。葉君と奏に迷惑かけるな・・・・・・


「そうっすか、しょうがないっすね大さんは。自分は男っすよ♪」


いつもの小悪魔顔でニヤニヤしながら見つめてくる。


やられたのか俺は?


「鈴君、またいつもの悪戯かい?こんなおっさんをからかっても仕方ないだろ。それに変な噂がたっても鈴君が困るだろ?」


頭を掻きながらそう伝えると何故か鈴君が溜め息をついている。


「はぁ・・・・・・大さんって本当に変わらないっすね。これだから自分とか葉さんが大変なんっすよ。分かってますか大さん?」


腕を掴み背伸びして顔を近づけてくる。


だから・・・・・・


顔を近づけるのは・・・・・・


「その、何で葉君の名前が出てくるんだい?」




「はぁ・・・・・・」


更に大きな溜め息をつく鈴君。何か変なことを言っただろうか?


いつの間にかまた腕を組まれて周りの流れに逆らわずゆっくりのんびりと水族館を満喫することにした。

ゆっくりのんびり更新します。

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