124話 お願いは晩御飯の後に
鈴君のお願い事は・・・・・・
「イラッシャイね、二人とも。アレッ・・・・・・鈴の雰囲気がいつもとチガウね、何かあったか?」
華ちゃんが水とおしぼりを運んでから鈴君をじっと見つめる。いつもはラフな格好で来るから違和感を覚えるのは仕方ない。むしろすぐに鈴君だと分かった華ちゃんが凄いと思う。
いつものように適当に二人で一品料理を頼んでお互いに好きなものを食べることにした。注文をするとすぐにいい音と匂いが店内を漂う。お店の外観も店内も決して新しい感じはしないが清掃はしっかりされていて不潔な感じは全くしない。華ちゃんがしっかり掃除してくれているのだろう。
「そういえば鈴君、お願い事ってどんなこと?」
「そうっすね、まぁ色々と考えてはいるんっすけどまだ悩んでるんっすよね」
どうやらまだ決まっていないらしい。鈴君のことだから無茶なことは行ってこないと思うけど何だろう?俺に出来ることならいいのだけど。
「お待タセね」
華ちゃんが頼んだ料理をどんどん運んでくれる。机があっという間に皿でいっぱいになる。明らかに二人分の量は越えているがあくまでも普通ならという話だ。俺が食べるのは言うまでもないが鈴君も見た目以上に食べる。それに注文していて残すわけにはいかない。
料理を食べ終わるぐらいで華ちゃんがジャスミン茶を運んでくれたので飲みながらのんびりする。
「大さん、明日って暇っすか?」
「お店をやるまでは基本は暇しているよ。明日何かあるのかい?」
鈴君が何か言いたそうにしている。もしかするとお願い事が決まったのだろうか。やはり何か欲しいものがあるのだろうか。
「明日、大さんと出かけたいんっすけど・・・・・・」
「あぁ、もちろんいいよ。どこに行こうか?」
「その・・・・・・自分はどこでもいいので大さんが決めてほしいっす」
うーん・・・・・・どこがいいだろうか?商店街をふらつくのもいいと思うけどそれだとお願い事としてはどうだろうか・・・・・・
「分かった、じゃあ明日は一緒に出掛けようか」
待ち合わせの時間と場所を決めて鈴君と駅で別れる。
しかしおっさんと出掛けて楽しいものだろうか?
せめて楽しんでもらえるようにどこに行こうか考えてみよう。電車に揺られながらどこに行こうか考える。しかし、どこに行けばいいか思い付かない。
困ったな・・・・・・
ふと電車内に掲示されているチラシを見つめる・・・・・・
いく場所は決まった。
鈴君が退屈しないといいのだが。そう心配しながら帰路についた。
ゆっくりのんびり更新します。




