4話 お店のコンセプト2
お店のコンセプトの話し合いはまだ続く。一緒に働きたいという気持ちはあるが、何事にも無関心な自分はそのうち辞めてしまうのではないかと思い、義弟の葉君には一緒にはできないと伝えたのだが・・・・・・
「その抵抗とかないですか?・・・・・・大兄はアニメとか好きじゃないし・・・・・・」
「抵抗というより、興味が無いと言った方がいいかな。アニメにじゃなくて何に対しても。仕事を辞めたのも多分それが原因の一つだと思う。だからせっかく葉君が誘ってくれたのは嬉しいけど俺だと葉君の迷惑になってしまうと思う。」
葉君と一緒に仕事をするのは楽しいと思うが・・・・・・気がついたらただただ仕事をこなすだけになり何かをきっかけに辞めてしまうのではないだろうか?仕事を辞めてから頭の中でヘビーリピートする上司の言葉を思い断ることにした。一緒に仕事をして、いい加減に仕事をした方が迷惑をかけてしまう、それならば最初からしない方がいいはずだ。
「僕となんて嫌ですよね・・・・・・」
涙目で消え去りそうな声で尋ねてくる
『ふざけんなよ・・・・・・何?何なの?この可愛い生き物!?断れるわけないだろこんなこと言われたら!!!!』
心の中でそう叫び頭を撫でる。
「嫌じゃないよ葉君。俺は自分に自信が無いんだ。それで葉君に迷惑をかけてしまうのが心配なんだよ」
「僕は大兄だから誘ったの、大兄以外と経営するつもりはないもん」
葉君が俺の膝に座りまたフグのように頬を膨らませて顔を近づける。
『もんって何?もんって・・・・・・それにナニ・・・ナンデ!?いい匂いするし・・・・・・なんだ神様は俺に禁忌を行えと言っているのか?』
心の中でそう叫び理性を保つ為に、葉君を膝から降ろして椅子に座ってもらう。
「分かった。分かりました、俺の負け。是非一緒に働かせてください」
「ありがとう大兄、本当に嬉しい」
葉君の本当に嬉しそうな笑顔を見てこれだけでも価値があったなと感じる。
「じゃあアニメに興味の無い大兄には徹夜で勉強してもらいます。僕のオススメのアニメの動画をこれから1話から最終話まで見てもらいます」
「分かったよ。それじゃあ見ておくから葉君、今日は帰りなさい」
今日は疲れた。見たフリをしてネットであらすじを見て見た事にしよう。そうだそれがいい。それが一番誰も傷つかない。そう思った矢先、何故か葉君がまた俺の膝の上に乗り体を預けてタブレットでアニメの動画の再生を始めた。おやおやどうした事だこれは?羽のように軽いなってそうじゃなくて夢なのか?夢だよね?夢なら覚めてくれ。
「大兄一緒に見よう♪♪」
もちろんアニメの内容など入ってくるわけなどない・・・・・・柔らかい感触と腰まで伸びた黒髪から漂ういい匂いに理性を保つという苦行が朝まで続いたのは言うまでもない。
ゆっくりまったり更新します。




