110話 捜索4
村にある大きな屋敷に向かう。
村の入り口には誰も居ない。ガリィの住んでいる村同様に、来る人拒まずという感じがする。プルプルに乗って村の中を歩き回るのも良くないので入り口の近くで待つように伝えていると、すぐ近くにガリィとラビィの乗っていたプルプルがのんびり眠っていた。どうやらラビィ達もここに来ているようだ。ラビィは多分鼻が利くと思うからマスターがここにいる可能性が上がってきた。
貴族のお嬢様と言うからにはきっと大きい家に住んでいるに違いない。ガリィの村よりも大きいから簡単に見つかるか心配だったが村の中で明らかに大きい屋敷を見つける。村人に尋ねてみるとそこがミミの屋敷ということを嫌な顔を一つもせず教えてくれた。やはりここの人達は優しい。ここの村の人達は獣耳が生えている人達が少なく感じる。大きい場所にいくほど少なくなっているのだろうか?それとも自然が好きだから村に多いのだろうか?何にしろ見た目では特に差別などなく仲良く生活しているように見える。
屋敷の入り口の門は開いていたので中に入っていく。大きな屋敷なのに門番が居ないのは危険な感じがするがこの世界の人達の雰囲気から考えるとそこまで危険ではないのかもしれない。
玄関の扉をノックするが反応は無い。
何度かノックするがやはり反応が無い。
うーん・・・・・・困った・・・・・・勝手に入ったらさすがにまずい気がするがこのまま帰るわけにもいかない。どうしようか迷っていると屋敷の奥から聞き覚えのある声が聞こえてくる。
ガリィだよな・・・・・・声の感じだと誰かと言い争っている感じがするがまたマスターが怒らせたのだろうか?しかしガリィと言い合っている相手は聞いたことが無い声だった。ガリィが居るのであればラビィも居るはずだ。それならば中に入って問題にならない方がいいのではないだろうか?もしマスターがここに居なかったとしたら次の捜索の計画も立てないといけないし。ここで待つことにしよう。
決してガリィと見知らぬ相手の争いに巻き込まれるのが面倒臭いと思ったわけではない。いつの間にか山田さんも居なくなっている。あの人は気がついたら居なくなる。今回は自分から同行すると言ったくせに。考え方によっては危険ではないということなのかもしれないが。
玄関に背を向けて村で時間を潰してガリィ達が出てくるのを待とうと思っていたが不意に背後から殺気を感じる。振り向くより早く何かが背中に張り付く。背中に痛みは無い。つまりは攻撃されたわけではない。それにこの感じは経験がある。しかし背中にかかる重さや肌触りなどいつもとは違う。いったい誰なんだろうか?
ゆっくりのんびり更新します。




