107話 捜索(ガリィside)
むつきの居る場所の予想はあって。
「ガリィ、何処に向かうのか決めてる?まさか無計画じゃないよね?」
ラビィが俺の背中にもたれ本当にやる気の無い気持ちを出してくる。俺だってむつきのことなんて探したくなんかないのに、大のお願いだから探してるのに。
「どうせミミ達だろ。何度もむつきの店にスカウトというか告白しに来てたからな。まぁ、むつきは断り続けてたけどな」
「ミミはお金持ちだからミミと暮らした方がむつきも幸せになれるのに不思議」
大には伝えていないけどだいたいの予想はついてる。むつきを見つけて大に誉められたいという気持ちもあるけど
ミミとは関わりたくないという気持ちが本音だ。あいつと関わると面倒くさい。過去のことを思い出してもろくな思い出がない。
やっぱり行くのを止めようか。でもむつきが居ないと大がこっちに遊びに来なくなるし・・・・・・
「むぅううう!」
どうしようかと考えているとプルプルが俺のことを心配して走る足を止めて頬を大きい舌先で舐めてくる。いつもとは違う俺に心配したのか?やっぱりプルプルはいいやつだな。
「ガリィならむつきのことを匂いで追えるはず。早く確認してね」
ラビィが眠たそうな声で指示してくる。いつもなら昼まで寝ているから仕方ないけど何でついて来たんだ?何かあったら心強いけど昼前のラビィは役に立たないからな。
はぁ・・・・・・本当はしたくないけど仕方がない。深呼吸して気持ちを落ち着けて鼻に意識を集中させる。頭に記憶しているむつきの匂いを思い出す。ほんのり甘いお酒の匂いに混じるむつきの体臭を周囲から匂わないか、大きく空気を吸い込んで探してみる。
微かだけどむつきの匂いが残っている気がする。1日経過しているので確かではないが匂いの向かう先にはミミが住んでいる村がある。
「ガリィ・・・・・・やっぱりミミの所に向かうのか?」
「あぁ、ミミの住んでる村の方角に微かにむつきの匂いを感じる。行きたくないけど行くぞ」
プルプルの背中を叩いて村に向けて走らせる。お昼前には着くはず。大達は今頃何してるだろ?山田はずるい。俺だって大ともっと遊びたいのに。山田より先に見つけていっぱい大に褒めてもらう。
「ふぁ・・・・・・ガリィ着いたら教えて」
ラビィは俺の背中に抱きついて眠り始めた。村が近づくにつれて匂いが強くなってくる。間違いないむつきはこの先の村にいる。
ゆっくりのんびり更新します。




