106話 捜索開始
捜索メンバーの振り分けは。
お風呂から上がりお店の中でどこから探そうか話しているとガリィとラビィが現れた。意外にも二人とも朝は遅いんだなと思っていると二人が不機嫌そうに膝に飛び乗ってくる。ガリィとラビィが膝に乗り不機嫌そうにしているが何で怒っているのか全く分からない。二人の言う通りに一緒に寝たというのに。いや、あれは冗談で本当は嫌だったのに俺が抱き締めて逃げられなかったことに対して怒っているのだろうか。
「さて、まずは探す場所を決めましょうか。四人で探すのは時間が勿体無いので二組に別れましょう。ちなみに私は大さんと行くのでガリィとラビィで探してください」
『何でそうなるの!?』
ガリィとラビィがかなり不満そうに抗議するが
「二人の方がこちらの事情に詳しいんですから二人が一緒に探した方が早いと思います。それに大さんと二人で探すことになったとして、ちゃんと真面目に探すって言えますか?」
山田さんの言葉に二人は黙ってしまう。うーん、さすが山田さん。計り知れない人だ。二人は渋々納得して探索に入ることになった。プルプルの様子を見に行くともう起床してご飯を美味しそうに食べていた。プルプルがご飯を食べ終えるのを待ち背中に乗る。
「朝早いけど大丈夫かプルプル?」
「プルプル♪」
応えるように高く飛び上がる。
「いいですか?捜索は最長でも明日までです。それも今日中に手がかりが見つからなければ現実の世界に戻ってもらいますから。その為にも私が大さんと同行させてもらいます。夜になったら一度この村に戻って集めた情報をまとめましょう」
『分かった』
ガリィとラビィが二人でプルプルに乗り先に走っていく。どこか心当たりがあるのか分からないがあのラビィを大切に思っているマスターが一晩経っても帰ってきていないということは何かあったのは間違いないだろう。体力が無いと言っていたのでどこかで休んでいるのかもしれないが、とにかく命に別状が無いといいのだが。
「さて大さん、私達はどこに向かいましょうか?まさか決めてないってことはないですよね?」
「決めてはいますが、ほぼ決めてないのと一緒と言われても仕方ないと思います」
プルプルの背中を叩き森へと向かう。相変わらず山田さんは涼しい顔をして走ってついてきていた。この世界の情報を知らない以上は証拠が残っていると思われる場所を再度、詳しく調べてみるしかない。今回は前回と違って調べ方を変えてみることにする。森に着くとプルプルにお店から持ってきた、マスターの私物のハンカチを近づけて匂いを辿れるかお願いしてみる。プルプルはマスターのハンカチに鼻を近づけると
聞いたことの無いような奇声を発して
ハンカチを手で叩き落として何度何度も踏みつける。
マスター・・・・・・あなたはいったい何をしたんだ?
ゆっくりのんびり更新します。




