104話 就寝
今日は眠れるだろうか・・・・・・
マスターの部屋に入る。倒れた時に運んだときにはあまり良く見ていなかったがお酒の瓶とグラスと何の為に使うか分からないリボンや女性のコスプレ衣装が飾られていた。この服が無ければ格好いい部屋だとは思うのだが。いやある意味マスターらしい部屋なのかもしれない。
さてどうしたものか・・・・・・ベッドは一つしかないわけだから・・・・・・ガリィとラビィをベッドに寝てもらって俺が床に寝るのはどうだろうか。
「あの二人とも俺が」
『早くここ』
二人ともベッドに入り俺の声を遮るように自分の横をポンポン叩く。俺の答えなど見透かされていて先手を取られた。俺も腹を括ったくせに今さら逃げてどうする。一緒に寝るだけだ、何の問題もない。疲れているからベッドに入って目を閉じたら寝てしまうだろう。ベッドに入る前に深呼吸をする。ベッドの左右はガリィとラビィに占領されているので真ん中に入るしかない。しかし俺がベッドに入ったら二人をベッドから落としてしまうのではないだろうか・・・・・・いや・・・・・・不可抗力で二人がベッドに入れないなら仕方がない。
二人の間に入ると想像通り俺の体はベッドにちょうどのサイズで二人を押し退ける形になる。そこまではよかったのだがそこからは予想と違うかたちになる。ガリィがお腹を自分の顔に押し付ける形でくっつきラビィはお腹に顔を押し付けるように抱きついてベッドからは二人とも落ちないどころか想像より密着感が強いような気がする。
「大の考えることはだいたい同じ」
「いい加減にあきらめる。大は私達と勝負しても勝てない」
二人が抱き締める力を強くしてくる。まずいことに二人からはお風呂上がりのせいかとても良い匂いがする。ガリィにいたっては直接鼻を刺激するように抱きついている。そして二人から男性とは思えない柔らかい感触が伝わってくる。男っていうのはゴツゴツしていて固いはずだが葉君、鈴君、ガリィ、ラビィは俺の概念をぶち壊そうとしてくる。この状態で自分を保つことはできるのだろうか・・・・・・いや保たなければいけない。その為にはこのままの状態はまずい。
ガリィとラビィの背中の服を掴んで持ち上げ自分の胸に置いて二人を胸筋に押し当てるように抱き締め血管の浮き出るごつい腕で二人が動けないように思いっきり抱き締める。二人の動きが止まる。このまま明日の朝まで静かにしてくれればいいのだが。二人はそれから特に動くこともなくゆっくりと寝息が聞こえはじめる。
さすがに俺も眠い・・・・・・
瞳を閉じると深い眠りへと入っていった。
ゆっくりのんびり更新します。




