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97話 お店の前にて

山田さんとお店の経営の話を。

ここに来るのも何回目だろうか。まだこのお店を買うと決めていないのに山田さんは仕事とはいえ何度もお店を見せてくれるしマスターに会う為に異世界へと案内してくれる。山田さんは俺がこの物件と契約することを確信しているらしい。確かに俺の気持ちはお店を買う方向に気持ちは向いていき、悩むことはあったが葉君との話を終えて気持ちは強くなっている。今日、山田さんと話をする約束をしたのも値段や契約などの詳しい話を聞く為だった。


「お待たせしてすみません」


山田さんはいつものスーツでいつものように少し寝癖をつけたまま現れた。店の鍵を開けて中へと入る。相変わらずお店の中は綺麗な状態で保たれている。山田さんが掃除しているのだろうか?店のカウンター席に腰をかける。


「今日はまた異世界に行かれますか?」


「いいえ、今日は契約の話を詳しく聞きたいと思いまして」


山田さんが表情を変えず資料をカウンターの上に並べる。お店を経営したことがあり、営業していく自信があるのであれば購入するのもありだが、俺も葉君もどちらもその経験が無いのであればまずはお店を借りて経営というものを経験してみるのがいいのではないかという話になった。購入して成功すればもちろん言うことはないが、借りているのであれば駄目だと感じたら辞めればいいし、購入するよりお金もかからない。リスクは少なくするべきという考えだ。


お店を経営するにあたっての許可だったり申請するものについては全てピックアップしてくれるらしい。本来であれば業者に頼んでお金が発生するものなのだが山田さんにとってはそれ以上に異世界への扉の管理というものが大事なものらしい。


「お店を経営する準備期間としては一ヶ月はほしいのでもしお二人で開始したい時が決まったらまた教えてください。値段に関しては購入する場合と借りる場合の2パターンで見積もりを出していますのでお二人で見て考えて決めたらまたお話しましょう」


「ありがとうございます山田さん。お忙しいのに申し訳ないです」


「いいえ、お二人には期待していますので。異世界の住人とも上手くやっていけそうですし。もちろん異世界に行かないのであればそれにこしたことはないですが一応、定期的に異世界の様子も確認していただかないといけませんので」


「あの、山田さんが管理するわけにはいかないんですか?現に今管理しているのは山田さんですよね?」


ふとした疑問を問いかけると山田さんが黒淵眼鏡のフレームを触りながら気まずそうにする。


何か触れてはいけないことに触れてしまっただろうか・・・・・・

ゆっくりのんびり更新します。

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