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6.精霊たち

入学式当日の朝

もう2日たってしまった。お兄ちゃんは、音信不通になった私を探しているのだろうか。携帯も財布も倒れてた時持ってなかったし、まぁ携帯持っていても繋がっていたかどうかわからないけどね。


入学式は、ノイベルグ王国の国王と学校長の挨拶が終えると終了した。入学式の時驚いたがクラスは、一クラスしかなかった。私を含め女子12人、男子は18人。


私は入学式を終えたら、部屋友かな?いやいや相部屋って言うべきかな?ルミアちゃんとシャーロットちゃんと一緒に教室へ向かった。一クラスしかないから教室も一つなんだけどね。


「皆、入学おめでとう。って言うのは、まだ早いか。今から精霊の間で、精霊と契約して貰うが契約出来なかった者は、退学だな。国がこの学校の費用を出してくれているので、無駄には出来んからな。何、心配いらないさ。9割の人が、一つの精霊とは契約できるはずだ。出来なければ、かなり運が悪かったってことだな。あー、自己紹介まだだったね。俺の名は、

アーサー・ウィルスだ。アーサーと呼んでくれ。」

この人が、講師なのだろうか。なんか暑苦しそう。それにしても、9割の人ができるんだぁ〜。

「では早速、精霊の間に向かおうか。」


精霊間に向かう途中、アーサー先生が言っていたが精霊の間では時間の流れが遅くなるらしい。外では1、2分でも中では、1時間ぐらいに感じるらしい。

「では、自分なりの言葉で精霊と契約するように。それと、1人持ち時間3分程度な。契約出来なかった場合でも精霊の間から出てくるように。じゃあ、女子から行くか。適当に1人ずつ入れ。」

じゃんけんで順番を決めた…

あ、私が最後になってしまった。

はぁ〜、ついてない。このまま、契約が出来ない1割に入ったらどうしよう。

因みに、ルミアちゃんとシャーロットちゃんは、それぞれ5番と11番だった。

次々と順番出入りし、1〜4番の子達は、精霊と無事契約出来たみたい。次は、ルミアちゃんだ。

「次、わたしね。」

と言って、入っていった。

1分足らずでルミアちゃんが出てきた。

「「ルミアちゃん、どうだった?」」

わたしとシャーロットちゃんの声が重なった。

「出来たわよ、契約。赤、緑、土の精霊とね。ほら、見て指輪、3色でしょ?」

複数属性だとそうなるんだ。あ、そういえば、先生の契約した精霊の属性聞いてなかった。

「あの、アーサー先生。先生は、どの属性の精霊と契約してるんですか?」

とわたしは、先生に聞いてみた。

「俺か?俺は、光と闇属性以外の精霊たちだな。2つの属性を持つ人が結構いたな。まぁ、全属性持ちなんて滅多にお目にかかれないがな。」

わたしは、先生と話していると。

「やったわ、わたくしは、全属性よ。」

と喜ぶ声が響いた。

「何!」

先生は、大慌てでその子に駆けつけた。

「君は、確かオーフェン伯爵家のご令嬢。リーリエじゃないか。ど、ど、どうやって全属性の精霊と契約したんだ?」

「普通に頼んだだけですわよ。」

「普通にって…。あ、そこ次の人、早く入りなさい。」

次の人、入りづらそうだな。全属性の後だからね〜。

次々と順番に出入りし、シャーロットちゃんは無事、赤と青の精霊と契約出来た。今のところ全員が、契約出来ていた。最後は、わたしだ。

「じゃあ、行ってくるね。」

とルミアちゃん達に告げ、自ら精霊の間に足を踏み入れた。



えーと、精霊と契約するための言葉だよね?

やばい全然考えていなかったよ。

例えば、

精霊よ、我と契約をしろ。とか?

いやいや、なんか偉そうでそれはないよね。契約って言葉使うと失礼かな?

じゃあ、

精霊さん、わたしと友達になってくれませんか?の方がいいよね?

じゃあいくよ。

「せ、精霊さん、わたしと友達になってくれませんか。」

すると、わたしの目の前に6種の光が降りてきた。

その光達はまばゆい閃光を放った後、それぞれの色を纏った人型の精霊?の姿が見えた。

「わたくし達と契約したいのは、貴方ですか?」

青の精霊が聞いてきた。

「え、あ、はい。」

土と闇の精霊だけ男の人?

光の精霊は、白の光に包まれ特に綺麗だな〜。と見とれていると、光の精霊が話しかけてきた。

「一つ、質問いいかしら?」

「はい、いいです。」

「では、聞かせていただきます。貴方は、この世界の人間ではありませんね?」

え、え?バレた?ど、どうしよう。もしかしてこの世界の人間しか契約出来ないの?

「あ、え、ど、どういうことですか?」

わたしはとぼけようとした。

「心配しなくても大丈夫ですよ。異世界人でも契約出来ます。」

わたしの悩みが分かっているかのごとく、そう告げた。

え、そうなの?良かった〜。じゃあ、安心だね。

「はい。わたしは、あなたの言うとおり異世界から来ました。でも帰る方法が分からず、困っているんです。」

「そうですか。あなたを元の世界に帰す力は、わたくし達にはありませんが、あなたの世界に干渉することは可能です。心配事があるのではないですか?」

光の精霊は、わたしが悩んでいる事を知っているような口ぶりだった。

干渉って、何ができるんだろう。

「はい。お兄ちゃんが心配してくれているかもしれないので、わたしは無事だと伝えられたらなぁって思っているんです。」

「そうですか。しかし、わたくしが干渉出来るのは、人の記憶に関してのみです。言葉を伝える事は出来ません…。少しあなたの記憶を見させていただきますね。」

光の精霊がそう言うと、わたしの頭に手をかざした。

「なるほど、それ程心配しなくてもいいかもしれません。おそらく元の時間、元の場所に帰れるでしょう。ただ帰り方は、わたくしには、分かりません。」

「え、元の時間、元の場所に帰れるの?」

私は、嬉しかった。ここでの生活した時間は、私の世界でも同じ時間消費されると思っていた。でも、そうじゃなかった。

「もしかして、あなたは何かしらの役目があって来たのかしら?」

と言い、光の精霊は考え込んだ。

「そんなことはどうでもいいんだよ、あたいは。契約だろ?契約。」

なんか赤の精霊、怖い…。

「そうだな。契約だ、契約。ずっと話を聞いていたが、ワシはもう我慢できんわい。」

土の精霊も赤の精霊と同調した。

「そうですね、そんなことはどうでもいい…、訳ではありませんが一先ず保留ということにしときます。では、わたくしと契約しませんか?なにかと役に立てるかもしれませんし。」

光の精霊が自分との契約を進めてきた。

「おい、光の。抜け駆けは、卑怯だぞ。あたいも契約したいんだ。」

「ワシとも契約しないか?嬢ちゃん。」

「なぁ、小娘。光と契約するなら、この俺、闇とも契約しないか?」

「え、あ、はい。闇は、いらないかと。」

「おいいいいいい。どう言うことだ小娘。」

やば、闇の精霊を怒らせてしまった、どうしよう。

「おやめなさい。全く、貴方達は…。」

え、緑の精霊が、仲裁してくれた?

「契約したいものは、挙手すればいいではないですか。」

と青の精霊が解決策を述べた。

「では、契約したいもの挙手をお願いします。」

すると全員が手をあげた。闇と土の属性は、いらないんだけどなぁ。正直に答えると怒られそうだし。しかし、こんな風にして精霊と契約するの?なんか、思っていたのと違う…。

「はい、もう全員とでいいです。」

私は、答えるのも面倒に思っていた。

「では、契約成立ですね。じゃあ、赤、青、緑、土、闇、光の順番でわたくし達に名前をつけてください。」

え、名前つけるの?聞いてないよ。わたし、名前つけるセンスがないのに…。

「えっと、必ず名前をつけないといけないんですか?」

「はい。契約の際には、必ず。」

と青の精霊が答えた。

はぁ〜、ちょっと面倒だな。適当でいいよね?

「えっと、赤の精霊は、サラ。青の精霊は、アクア。

緑の精霊は、シルフ。土の精霊は、マッド。闇の精霊は、ダーク。光の精霊は、シャイン。でいいですか?

「はい、それで構いませんよ。では、契約の証として指輪を渡します。左手を出してください。」

わたしは、シャインの言うとおりに左手を出した。

すると薬指に指輪が出てきて、6人?の精霊達は、1人づつ指輪に吸い込まれていった。

「これで、終わりだよね?」

そう思ったわたしは、精霊の間を後にした。



「ユキちゃん、どうだった?少し遅かったけど。」

精霊の間から出たわたしに、シャーロットちゃんが真っ先に声をかけてきた。

「大丈夫。出来たよ、契約。」

「どの属性と?」

シャーロットちゃんの純粋に気になるという目に、少し狼狽えてしまった。

全属性って言ったら、目立っちゃうよね?

でも指輪を見られたら、バレちゃうし。

リーリエちゃんも全属性だから、2人目だしそこまで目立たないかな?

「えっと…、全属性?だよ。」

「何!」

また、このパターン?

わたしは、男子の契約が終わるまでしつこく先生に色々質問されることになった。

はぁ〜、もう疲れたよ。


そんな疲れていたわたしを睨む、人の視線を感じた。

殺気⁈

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