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5.図書館と異世界の歴史

「ユキ、シャーロット。もう朝よ、早く朝食を食べて図書館に行くわよ。」

え、もう朝?私は、布団から飛び起きた。

シャーロットちゃんは、「もう、これ以上食べれないよ〜。ぐへへ。」とヨダレを垂らして寝言を言ってた。

シャーロットちゃん、食べ物に囲まれている夢でも見てるの?

「この寝顔を見てると何故か、写真を撮りたくなるよね〜。」

「しゃしん?なにそれ。ユキ、たまに変な言葉を言い出すわよね?あなたが住んでいたところで使う言葉なの?」

「え、あ、うん。そうだよ〜。」

あ、ちょっと待って。これってあまり言わない方がいいのかも。でも将棋を商人のゴーゼルさんに言ってしまったし、いまさらかな?でも私が、別世界の人であるとばれるとどうなるかわからないし...。それはそれ、これはこれだよ。やっぱり、元の世界の知識を出しすぎるわけにはいかないよね?

ちょっとオブラートに包めば、誤魔化せるかな?

「ふ〜ん、そうなんだ。」

え、それだけ?

私は、ルミアちゃんから根掘り葉掘り聞かれることを想定して、構えていたが予想とは違う反応に少し戸惑ってしまった。そんな私を見て、ルミアちゃんが言った。

「あまり、聞かれたくないことなんでしょ?ユキが話したいときでいいわ。それより、こんなアホ面で寝ているシャーロットを起こしましょ。」

「むにゃ、むにゃ。あ、ルミアちゃん。それ私のご飯だよ〜。ルミアちゃんは、食いしん坊だよね〜、むにゃ、むにゃ...」

「し、シャーロット、あなた........................

私は、あなたみたいに食いしん坊じゃないわよ!」

ルミアちゃんの怒りが、シャーロットちゃんに炸裂した。


「あ、イタタ。ルミアちゃん、そこまで強く叩きおこさなくてもいいじゃない…。」

「あなたが、変な寝言を言うからでしょ!」

「え、私、何か言った?」

「シャーロット…、あ、あなた、覚えてないの?はぁ〜、もういいわ。早く着替えて、朝食食べに行きましょ。」

え、着替え?ふと、ルミアちゃんの方を見ると制服っぽい服を着ていた。

「ルミアちゃん、その服どうしたの?」

私が、問いかけると

「え、これ?タンスの引き出しに入っていたわよ。しかも、名札付きで。」

と答えたくれた。

私は、タンスの中を見てみた。そこには、シャーロットと私の二人分の制服が置いていた。

自分の分の制服を着てみると、サイズがぴったりだった。

え、サイズピッタリ?なんで私のサイズ、学校側が知っているの?

私は、頭の中で言った言葉と思ったんだけど口に出していたみたい。

「身分証を学校側に出したでしょ?その時に、サイズも知られるわよ。」

とルミアちゃんが教えてくれた。

じゃあ、身分証をなくすと大変なことになるじゃない。スリーサイズがばれる…。

それは、嫌ー。減るもんじゃないしって思われるかもしれないけど、結構減るんだよ?精神的に。

あ、シャーロットが着替え終わったみたい。

私たちは食堂に向かい朝食を早めに済ませて、図書館に向かった。

ちなみに朝食の種類だが、昨日の夕食と同じものだったため、私たちはがっかりしていた。

「料理のレパートリーが少ないから、仕方がないわね。」

誰かが、そうつぶやいた。

え、誰のセリフなの?って?それは、ご想像にお任せします。


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


わぁ〜、大きな図書館。てっきり、学舎と繋がっているのかな?って思っていたけど、独立してたっているんだなぁ〜。もしかすると、私通っている大学の図書館より大きいかも。

「さ、入るわよ。」

ルミアの合図?とともに私たちは、図書館に入った。


「まずは、歴史を調べましょう。私、少し気になることがあるの。」

「「気になること?」」

私とシャーロットの声が重なった。

「えぇ、実は昔、精霊と契約するの学校に行かなくても誰でも出来たみたいなの。特定の場所でね。今は、各国の魔術学校の精霊の間になっているみたいだけど。私は、何で魔術学校が出来たのか知りたいの。」

「そんな話、私は初めて聞いたよ〜。」

「へ〜、そうなんだ。」

「シャーロットは、私と一緒におばさんの話を聞いていたでしょ。忘れたの?」

「えへへ、忘れちゃった。」

「えへへ、じゃないわよ!」

「ちょっと、ルミアちゃん。大きな声出しすぎ、司書の人がこっちを睨んでるよ。」

私は、ルミアちゃんを注意した。

「ゴメン、ちょっとあつくなりすぎたわ。取り敢えず、歴史に分類されている本棚のほうへ行きましょ。」


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


えーと、魔術学校の歴史っと、って言うか全部題名からしてこの国の建国神話や歴史が多いね。

これらの歴史書の中に、私と同じように転移してしまった人の歴史があればいいなぁ〜。

私が、歴史書を探そうとしているのは、転移してしまった人の最後が載っているかもしれない。と思ったからだ。その転移者が帰っていれば、その帰り方も載っているだろうと。

例えば、竹取物語のかぐや姫は、最後に従者を引き連れて月へ帰ったでしょ?そんなみたいなこと書かれていないかなぁ〜って。


私は、歴史書の中で黒の背表紙の本が少し気になった。

常闇の魔女?何、この題名。

「ねぇ、ちょっとルミアちゃん、シャーロットちゃん。こっち来て。」

私は、二人を呼び寄せた。


「常闇の魔女…これは、何かありそうね。本来、精霊使いは、男女問わずみんな精霊魔術師って言われているわ。魔女っていわないわよ。」

「取り敢えず、読んでみようよ。」

私たちは、その本を読み進めた。


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


昔々、とある村に、魔術師を夢見る幼い少女がいました。彼女は素直でとてもいい子だったので、周りの人たちはとても可愛がりました。このまますくすくと育てばいいと願って。その願いが叶ったのか、彼女は、このまますくすくと育った。15歳の時、彼女は精霊と契約するため、祠に向かいました。そして彼女は、赤、青、緑、土、闇、光の全ての精霊と契約できました。彼女の左手の薬指には契約の証である指輪が6色に輝いていた為、誰の目から見ても全属性であることは明らかでした。そんな彼女を村の人たちは、誇りに思っていました。彼女も村の人たちのことを大切に思っていました。彼女は魔術師になれた為、近くの王都で働くことになりました。

そんなある日、その村に悲劇が起こりました。村の人たちが全員何者かによって、殺されてしまいました。駆けつけた彼女は、その村の惨状を見てひどく悲しみ、慟哭(どうこく)しました。

なぜ私は、村を離れてしまったのか、誰がこの惨劇を引き起こしたのか。

彼女は自分を責め続けました。

私が村にいれば、みんなを救うことができたのに…。

村の人たちがいなければ、この世界に生きる価値はないて彼女は、そう思うようになりました。

その時、彼女の心は、闇に呑まれてしまいました。

そして彼女は、世界を滅ぼそうとする魔女となりました。

そんな彼女のことを危険と感じ、各種族の人族、獣人族、エルフ族、魔族の優秀な魔術師が討伐に行きましたが、彼女の闇に呑まれた圧倒的な力を前にして歯が立ちませんでした。そんな事態を各種族の上層部は焦り、彼女を封印すること決めました。

無事、彼女を封印することが出来ましたが、その封印はもって2000年程度でした。

彼女が復活した時のために、これを記すが今となっては、その封印方法は、失われた記憶になっているだろう。なんせその封印方法を知っているのは、討伐に向かった優秀な魔術師だけなのだから。

我々の倒せなかった魔女を次世代を担う子達に託そう。


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


「な、何これ?物語か何かじゃないの?何で、歴史書のところにあるのよ!」

ルミアは、驚きを隠せないでいた。

「ルミアちゃん、これって実話なんじゃ…。」

シャーロットちゃんが怯えた声で答えた。

「実話なら、大変じゃない。」

ルミアの言うことは、もっともだ。ルミアのゆうとおり、強い魔術師がいなければ魔女が復活した時に倒せる者がいない。

私たちは、魔女のことを少しかわいそうに思った。大切な人を殺されて、平気でいられるだろうか。

私は、もやもやした気持ちのまま、2日間の図書館での調べごとを終えた。

ちなみに、私の知りたかった情報は探せなかった。

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