06
外で大きな爆発が聞こえた時ペティ先生はその場でオロオロしていたが、しばらくすると非常事態用のマニュアルを思い出したのか点呼を取り出した。
その頃私はテンを妖魔帰還させていた。
全員居ることを確認するとペティ先生はホッと一息ついた。その時第5修練室のドアが開くと、2人のおっさんと若い男性が銃を武装して入ってきた。
「テメェら、大人しくしろよ。さもねぇと死んじまうからな」
太ったおっさんが私達を脅していると、髭面のおっさんが銃を乱射してきた。
私はフウさんに「行ってくる」と伝え、突然入ってきた男の方に向かった。
男達は私が自分達の元に来ていることに気づくと、私に向かって髭面のおっさんが銃を連射し、太ったおっさんと若い男性が火属性通常魔法のファイアバレットと、風属性通常魔法のウインドバレットを発動させた。
「剣舞、千手、斬影からの梓」
私は刀で銃弾を1個づつ縦に斬りながら男達の元に着くと怯えた表情を見せていた。私は後ろに回り込むと柄頭で3人の首筋に当てて悶絶させた。
「制圧完了」
私は悶絶させた3人を呪術札【縛】を使って拘束しながら言った。
「栞さん大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫です。それよりそちらは大丈夫ですか?一応銃弾は全て斬りましたし。魔法弾は魔法核を斬って消滅させたので、そちらには1つも飛んでいって無いと思いますが、怪我人はいませんか?後、フウさん、あの子と空海月を出してもらっていいですか?」
私は聞かれたことに答えると、逆にペティ先生に質問をし、それからフウさんにあの子を出してもらうように頼んだ。なお、怪我人はいないらしい。
フウは快く引き受けてくれて召喚獣を召喚するとそれは大きな大蛇と空海月だった。召喚した召喚獣が間違っていることに気づいたフウは「間違えたでゴザル」といいながら妖魔帰還を唱え大蛇を戻し、再度召喚した召喚獣は小さな羽がついた大きなライオンだった。
「そ、空獅子!?」
ペティ先生は空獅子を出したフウさんに何者かと聞いていたが、フウさんは、ペティ先生に生徒達と一緒に空海月の傘の上に乗るように指示を出して空獅子に乗ると、フウさんは飛び立ち、フウさんが入ってきた窓に向かって空獅子が獅子炎弾を放ち、大きな穴を開けてその穴から外に出て行きそれに続いて私達召喚師科の生徒達とペティ先生が乗った空海月が出ていこうとすると大きな穴を開けた時の音を聞き付けたのか、武装した男と女が入ってきた。
「な、なんだ今の音は?て、お前らどこに行こうとしている!!待ちやがれ!!」
駆けつけた男は空海月に向かって銃を連射してきたが、私は呪術札【盾】を使って防ぎながら空海月の傘の上から飛び降りた。
ペティ先生は私が飛び降りると後を追って飛び降りようとしたが私はそれを止めた。なぜならペティ先生が飛び降りてしまうと、戦えるのがフウさんとクズ(アーロン)しかおらずクズ(アーロン)は今だなお気絶しているためフウさんだけになってしまうし、他の生徒もペティ先生がいた方が安心する可能性が高いからだ。
ひとまず乗るときに武具帰還させていた金色丸を呼び出しつつ武装した男と女の間を走り抜けた。走り抜くときに男は3人の男と同じように悶絶させ、女は意識を刈り取るだけにした。その後呪術札【縛】で拘束した。
「制圧完了。しかしまぁ、バレット系は初級魔法ですが魔法を使って来たもの達が全て無詠唱とはどういうことでしょうか?全員がこの程度の実力なら、他の生徒達も助けに行きましょうか。しかしどうしましょうか、見つかった場合ここの生徒と気づかれたくはないですし・・・」
私はしばらく考えると変化することに決めた。
「憑依召喚玉藻」
すると狐の耳と狐の尻尾が生はえてきた。
「変化!!」
そこには狐のお面を被った巫女服を着た女が立っていた。まぁ私なんだけど・・・イメージとしては20歳の自分をイメージしてる。
今はCぐらいだが変化してる今はEぐらいにしている。まだ胸が大きくなるのを諦めてはいませんし。
憑依スキルは自身の召喚獣と一体化するスキルで、変化は見た目や声、匂いを変えるスキルだ。なお服装も変えることが出来る。
変化し終えた私は廊下に出ると他の修練室を見て回りそのあと職員室に向かった。
▼▲▼▲▼
職員室に着いた私が見たものは後ろ手で縛られた教師の姿があった。
「だ・・・」
私はその場にいた武装した男の意識を刈り取り他の武装した男達の意識も刈り取り、教師を縛っているヒモを切ると武装した男達を教師達に手伝ってもらって1ヵ所に集めると呪術札【縛】で拘束した。
「ところで、貴女は?」
「我が名はフォクシム。狐の巫女なり」
はい、この姿の時の偽名です。
私はこの姿の時はこの名前を使っている。元の姿だと凄く悪目立ちするのが目に見えているからだ。
名前を聞かれた後、私は見張りを教師に任せて隣の学園長室に向かうとそこにはヒモで拘束された学園長と理事長そして、目付きの悪い大柄の男がいた。
私はその男を知っていた。
その男の名はスピロム=マーケンSランク冒険者で、ノーフスタジアの剣士の部で2連覇し、3連覇成るかというとこで、初戦で私と当たり初戦負けした男だ。
スピロムは私に気が付くと舌打ちをして「なぜここにいる、フォクシムさんよ。つーか俺達、新たなる門出の邪魔をする気か?」といいながら持っていた双剣で斬りかかって来た。
私は刀でそれを受けながらなぜこんなことをするのかを聞いたところ。
「冒険者ギルドの依頼でこの学校の教師に指名手配犯のソーニャ=ロンゼムがいる事がわかってなそれで俺達が捕まえに来たというわけだ。なぜお前はこいつらをかばう?」
「我は我とこの学園の生徒が捉えられそうになったから捉えられる前にその者らを打ち倒してついでに捉えられている者を助けに来ただけじゃ。銃で撃たれたりもしたのう」
お互いに勘違いだとわかるとお互いに剣をおろした。私は刀だけど・・・。
スピロムは私と学園の生徒に対して謝った。何でも教師だけを生きて捉えられるつもりだったらしく用意した弾もベム弾だけらしくその事も謝られた。
※ベム弾はゴム弾みたいなもの。
私はスピロムからソーニャが見つかったかを聞くとスピロムは見つけたと答えた。