武藤さん
練習です
「…えぇ…あのっ…なんでもないです…」
妙に歯切れの悪いこの男、別に怒られているわけではなく、単に恐ろしく気が小さいだけである。
男の名前は武藤さん。
年は50を少し越えたくらい、やや小柄でひどい猫背、禿げ上がった頭を坊主にしているその姿はぱっと見ブルー〇ウィルスに見えなくも無い…のか?
「行くよっ武藤さん」
自分の半分くらいの年齢の青年にタメ口を使われているが武藤さんは気にしない。 何故なら彼は、武藤さんの上司だからだ。
さてこの青年、普段はそうでもないが、キレたときの行動が常軌を逸している。
武藤さんの仕事は警備員。バブルの時は倉庫の番で座っているだけで手取り40万ぐらいもらっていたが、今では額面12万だ。
気が小さい武藤さん、現場ではっきりしないので作業員さんに心配される始末。上司にキレられた時の武藤さんはまるで怯える小鹿の目をしている。
武藤さんは端から見てたらいっしょうけんめいなのは伝わるので頼り無いけど憎めない。
武藤さんはカレーが大好き。一時期毎日晩御飯がカレーだったけど毎日でも大丈夫。
むしろ毎日が良いとも思ったり思わなかったり。
武藤さんの朝は早い。職場まで毎日電車で90分、なのでたまに会社に泊まる。
前は満喫に泊まっていたけど寝てるだけなので出禁になってしまった
「…えぇ…あのっ…イヤッ …車両接近…です?…」
今日も武藤さんは頑張る。
なんの盛り上がりも有りません。




