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神具の呪師  作者: fukuchan
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侵入者

いよいよ物語が動き始めます。

小太刀が制裁を受けた翌日、登校した小太刀は鍔鳴と会話をしていた。日和はこの場にいない、男女別の授業が次の時限にあるからだ。

「はははは!災難だったな影森。」

「お前な、笑いごとじゃないぞ。ほんとに死ぬかと思ったんだからな。」

「なーるほどね。それで刃向井さんはご機嫌ななめなわけだ。もてる男はつらいねー。」

「そんなんじゃないよ、あいつは俺が約束を破ったのが気に喰わないだけだ。」

「やれやれ、その調子じゃ刃向井さんのご機嫌はいつまでたっても直らんぞ。たまには気の利いたこと言ってあげろよ。愛してる!とか大好きだ!とかな。」

「冗談はよしてくれ、それで機嫌が直るなら苦労しないよ。」

(いや、割と効果てきめんだと思うんだが)

内心そう思い、口には出さない鍔鳴であった。

「さて、俺らも移動しようぜ、授業が始まっちまう。」

「だな、行くか。」

小太刀と鍔鳴が教室を後にしようとしたとき、放送が流れた。

「生徒の呼び出しをします。三年B組田中次郎君、至急職員室体育館へお越しください。繰り返します。三年B組・・・・・・・」

その瞬間、放送を耳にした聖鵬学園全生徒に緊張が走った。この放送はただの放送ではない。聖鵬学園に三年B組というクラスは存在しない。もちろん、田中次郎君もだ。この放送は「学校に不審者が侵入した。これは訓練ではない、生徒は速やかに体育館に避難せよ。」という学園関係者のみに伝えられる暗号なのだ。


聖鵬学園生徒会長白百合紅羽は頭を抱えていた。いうまでもなく、先ほどの放送が原因である。生徒会長とはいえ、学園の生徒である以上放送には従わなくてはならない。しかし、紅羽はそうしなかった。それどころか認識阻害の呪を込めた腕輪型の呪具(小太刀作)を身に着け不審者の捜索を開始したのだ!

「くそっ!悪い予感が的中するとは。面倒なことになった。被害が出る前に何とかして取り押さえねば!!」

冷静な彼女にしては珍しく本気で焦っていた。普段の彼女を知るものがみれば本気で驚くだろう。こうなった経緯を説明するためには。朝まで時間をさかのぼらなければならない。


その日、紅羽は学園を欠席していた。体調を崩したわけではない(学園には風邪を引いたと伝えたが)しかし、サボったわけでもない。彼女は呪師の組織「呪言会」から下された指令を遂行していたのだ。内容は「手配中の呪師、(くら)満常夜(みつとこや)が、聖鵬学園付近にて目撃された。早急に発見、捕縛せよ状況次第では抹殺もやむなし。」というものだった。「呪師は表の世界を守る正義の味方。」

その認識はおおむね正しい。しかし、呪師とて人間である。すべての呪師が正義か?と問われれば、否と答えざるを得ない。呪を悪用し、表の世界に害をなす輩も少数であるが存在するのである。そのような輩を捕縛し、しかるべき処置を施した後に司法機関に引き渡すことも呪師の仕事の一つなのだ。

「やれやれ、緊急指令が来るから何事かと思えば、よりにもよって(くら)満常夜(みつとこや)とは。はぁ、ついてないな。」

呪師に「もっとも会いたくない人間はだれか?」と質問すれば。ほぼ全員が(くら)満常夜(みつとこや)の名を挙げる。紅羽とて例外ではない。それほどまでに(くら)満常夜(みつとこや)という人間は恐れられているのである。暗満常夜とは何なものなのか。一言で言い表すのなら大量(たいりょう)殺人犯(さつじんはん)である。彼は呪師の家系の中でも名家である暗満家に生まれ、将来を有望視されていた。事実、彼は才能に恵まれていた。特に、呪具の作成においては抜きんでた才能を持っていた。しかし、彼は狂っていた。俗にいう、社会(サイコ)不適合者(パス)である。やがて彼は己が作った呪具の実験と称し、同僚を殺し始めた。組織が彼の異常性に気づいたときにはすでに十数名もの命が奪われていた。「呪師殺し」彼につけられた異名である。組織は彼を重罪人として手配し、捜索を続けていたのである。

(しかし妙だな。暗満はこの5年、組織に足取りを全くと言っていいほど掴ませなかった。それがなぜ今になって姿を現した?目的はなんだ?)

紅羽の優秀な頭脳をもってしても答えを見出すことは困難であった。

(はぁ、仕方ない。一般人として暮らしている小太刀君を巻き込むのは気が引けるがこの際・・・・・・・)

その瞬間、天啓が舞い降りたかのごとく一つの考え浮かんだ。

(まさか、いや、ありえない。だが万が一、暗満が小太刀君の正体に気づいているとすれば、居場所を特定されているとすれば・・・・・・くそ、嫌な予感がする。小太刀君は今の時間なら学校か、杞憂であればいいのだが。)

紅羽は学園へと向かった。


というわけで第六話でした。

小太刀「やっと戦闘パートか、グダグダしすぎだろ。」

作者「いや、戦闘は・・・・・・」

小太刀「まさかとは思うが戦闘シーンができてないなんて言わないだろうな?」

作者「あ、頭の中ではできてるし。」

小太刀「おい。」

戦闘描写って難しいですね 笑

苦戦していますが、できるだけ早く投稿したいと思います。

感想、アドバイスなどいただけたら幸いです。

次回もよろしくお願いします。

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