表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

第一章「(略)」 5

「さあさあそれではしばらくの間、この狂った物語にお付き合いくださいませ」

「は?」

「だから、君の妹が、東那ちゃんが、家で死んでるんだよ」

「……まじっすか」

一つため息を吐いて納東くんは言う。

「郷さんはまだそこにいんの?」

「いるよ、友達と一緒にね」

「そっか」

暫く間が空いた。

「じゃあさ、僕今からそっち行くし、待っててくんない?」

「おーけー」

頷いて、電話を切る。


「どした?」

と接穂。

「後輩に、連絡をとっててね」

「ふうん」

「西折錦くんっていう子」


反応がなかった。


「あれ、もしかして知らない?」

「……いや、まさかね」

考え込むような素振りで首を傾げる接穂。何か思い当たる節でもあるのだろうか。


挿絵(By みてみん)


「それにしても」

僕は言葉を紡いだ。

「なんでこんなことになっちゃったんだろうね」

接穂は何も答えなかった。


もちろん、東那ちゃんも何も答えなかった。


三十分ほどして、軽いノックの音。それから、ドアが小さな音を立てて開いた。


「やあ」

僕はそう言って、右手を挙げた。


「ん、よっす」

錦くん、いや西祈納東(にしきなずま)くんは応えるように軽く会釈する。長く伸ばした髪を束ね、ワイシャツの第一ボタンをはずしてる。東那ちゃんによく似たその顔がどんな表情をしているのかなんて。

僕は。

知らない。


「東那は?」

「リビングに、僕の友達が運んだよ」

「へー…って郷さんに友達っていたのかよっ」

心臓がえぐられたように痛んだ。どうしてくれる。いや、嘘だけどさ。

「じゃあ」

「うん、いってらっしゃい」


納東くんはそのまま中に入っていった。

僕も彼の後を追うように中に入った。


イラストは20分クオリティの落書き。郷哉と接穂。

Twitter @kagurazareinu

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ