表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
警察不信  作者: 山本正純
Episode 2  信賞必罰
51/106

Side.051 バイオテロの結末 The end of bioterrorism

 午前11時20分。大野は合田たちと合流した。


 それから十秒後彼らの前に久保田花子が現れた。彼女は堂々と池袋チャイルドクロウビルの中に入っていく。木原は合田に指示を仰ぐ。

「合田警部。どうしますか」

「尾行を開始する」


 刑事たちは彼女の尾行を開始する。彼女は黙々と屋上へと向かう。だが彼女は六階のフロアで警備員とぶつかってしまう。

 ぶつかった衝撃で警備員がしていた眼鏡が飛んだ。久保田は仕方なく眼鏡を警備員に渡す。

「すみません。この眼鏡ですよね」

「はい。久保田花子さん」


 女の警備員は久保田と握手をしてから持ち場に戻った。その後で警備員は久保田を尾行している五人の刑事たちとすれ違う。そんな彼らを見ながら警備員は微笑む。

「ご苦労さん」



 午前11時30分久保田花子は池袋チャイルドクロウビルの屋上に到着した。

 久保田はアタッシュケースに手を伸ばす。

(これですべてが終わる)


 そう思いながら久保田はアタッシュケースを開ける。その背後から合田が声をかけた。

「そこまでにしてもらおうか。久保田花子さん」

 久保田は背後を振り返る。そこには五人の刑事が立っていた。木原は彼女に質問をする。

「あなたの目的は何ですか。国立微生物研究所に勤務しているあなたがなぜバイオテロをしなければならなかったのでしょう」

 

 久保田は自供を開始する。

「この世界を壊したかったからでは不満かな。退屈な天使たちは私の唯一の理解者。私は彼らの力になりたいと思った。だから私は研究所からウイルスを盗んだのよ」

 

 そんな久保田の言動を聞き合田は激怒する。

「ふざけるな。そのウイルスをばら撒けば多数の犠牲者が出る。ウイルスを持っているだけでお前はバイオテロリストになる。それでお前は奴らの仲間だ。そんなことしても世界は変わらない」

「うるさい」


 久保田花子は合田の説得に耳を貸さず、右手でアンプルを掴む。その様子を遠く離れたビルで鴉は双眼鏡を使い見ていた。鴉はスマホを取り出しウリエルに電話する。

「そろそろバイオテロが起きます。ウリエルさん。準備はいいですか」

『はい。後は彼女のタイミングを待つだけです』

 その頃久保田花子は大笑いをした。

「さようなら。無能な警察官たち」

 

 久保田花子はブラッディティアの入っているアンプルを外に放り投げる。緑の液体は空中に漂う。そして久保田花子は屋上から飛び降りた。投身自殺を図った久保田を見て合田たちは驚く。

 

 ビルの前には二十名程度の野次馬が集まっている。その中心には大量の血を流した久保田花子の死体があった。それを待っていたかのようにウリエルは池袋チャイルドクロウビルに隣接するビルから十枚のカードをばら撒いた。


 カードは下へと一直線に落ちていく。そのカードの内の一枚を野次馬の中にいた佐藤真実は拾った。そのカードには罰という漢字が書かれている。残りの九枚のカードは地面に落ちていた。残りの九枚の内の一枚は偶然か久保田花子の死体の近くにある血でできた水たまりの上に落ちた。カードの一枚は血で赤く染まった。

 


きれいにside.50で終わりたかったが、まあいいか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ