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警察不信  作者: 山本正純
Episode 2  信賞必罰
44/106

Side.044 捜査方針 Criminal investigation plan

 喜田は千間に指示を仰ぐ。

「千間刑事部長。やつらのバイオテロまで三日ありますがどうしますか」

「奴らがバイオテロを行う都内にあるSを特定してバイオテロを食い止める。今回は前回の反省を生かして該当しそうな場所を重点的に捜査する。捜査員を総動員してな」

 

 千間の意見を聞いた月影は首を横に振る。

「千間刑事部長。それは止めた方がいいでしょう。奴らは危険な細菌を握っています。バイオテロをしようとしている連中です。逮捕

されそうになったら、ウイルスをばらまき大量の警察官を殺すに決まっています。そうすれば痛み分けになりますから。だから少数精鋭で奴らの目に触れないように水面下で逮捕を狙うしかないでしょう。10月22日東京都を封鎖して、都民を外出禁止にしましょう。そうすれば不必要な犠牲者が出ません」

 


 月影の意見を聞き、千間刑事部長は反対した。

「だめだ。それはできない。あのウイルスの感染経路は空気感染だ。たった一日外出禁止にしたとしてもウイルスが混じっている空気と安全な空気が入れ替わることはない。少数精鋭で捜査したってウイルスをばらまかれたら終わりだ。だから東京都にあるSを特定して隔離して警視庁NBCテロ対応専門部隊に除染してもらうしかない。一般人を避難させた上で立ち入り禁止にしてな。それに一日外出禁止にしたら経済がマヒする可能性がある。除染が終了するのは最低でも3日はかかる。東京都は経済の要だからな。4日間経済が麻痺すると日本経済に影響が出る。ウイルスをばらまかれると、経済以外にも交通なども麻痺するだろうな。だから大量に捜査員を導入してウイルスがばらまかれる前にテロリストを確保するしか方法はない。少数精鋭だと逃げられる可能性が高い」

 

 弱気な千間の意見を聞き月影は怒る。

「それは日本経済が麻痺するくらいなら、大量の警察官を殉職させても構わないということですか。大量の警察官を犠牲にしてテロリストを逮捕したとしても、仲間を殺す。そんな奴らです。警察官が命を犠牲にしてテロリストを逮捕するなんて間違っています。犠牲者が多いとテロリストの思うつぼですよ」

 

 だが月影の意見に千間たちは耳を貸さなかった。その態度を見て月影は暗い顔をする。

「分かりました。それでは私のやり方でバイオテロを止めて見せます」

 警察上層部の考えに呆れた月影は刑事部長室から出て行った。


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