Side.043 人口半減 Population reduction by half
結果を知った喜田参事官はこのことを千間刑事部長に報告する。千間はこの事実を知り恐怖する。
「それは本当か。そんな恐ろしいウイルスが完成したのか」
「はい。北海道で発見された数百本のウイルスがばら撒かれれば、日本の人口は半減します。それくらい恐ろしいウイルスが発見されました。そして一番やっかいなのが、このウイルスを作成した人物が野放しになっていることです。その人物が北海道で発見されたウイルスと同じものを作れば、バイオテロができます。ウイルスの作成者はまだ分かっていないので、逮捕は難しいでしょう。あのアンプルからは誰の指紋も検出されていませんからね」
丁度その時月影が刑事部長室のドアをノックして入室した。月影は慌てた表情をしながら千間に紙を見せる。その紙はメールをプリントしたものだった。
「千間刑事部長。これを見てください。これは先ほど送られてきた退屈な天使たちの新たなる犯行声明です」
「なんだと」
千間は月影から貰った紙を喜田に渡す。喜田は犯行声明を読めということだろうと思い、声に出して読み始める。
「この前は遊んでくれてありがとう。警察はまた負けちゃったね。やっぱり日本の警察は弱いな。さあ次のゲームを始めようかな。この前の予告殺人の時にメモを残したけど見つけたよね。無能な警察でも分かるような場所に置いたから見つかっていると思うけど、見つかっていなかった時のためにメモの内容を教えます。そのメモに次は大量に殺すと書きました。予告通り次は大量に殺すからね。今度は都内にあるSでバイオテロをするから。最近手に入れたブラッディティアでも使おうかな。このゲームに勝たないと、東京都民の人口が半減することになるから絶対に勝ってね。またゲームに負ければ完全に日本国民は警察不信になる。正義の味方になりたければ、10月22日に始めるこのゲームに絶対参加してね」
退屈な天使たちの新たなる犯行声明を聞き千間の堪忍袋の緒が切れた。千間は机をたたき立ち上がる。
「あいつらはまた警察を馬鹿にしやがった。絶対にやつらを逮捕してやる」
千間は彼らの逮捕に全力になった。
そんな千間の姿を見て月影は冷静に状況を分析する。
「模倣犯の可能性はないでしょう。この犯行声明には我々警察か奴らしか知らないメモについて言及されていますから」




