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警察不信  作者: 山本正純
Episode 1 連続強盗殺人犯を確保せよ!
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Side.004 暗殺するには少し早すぎないか?  Isn't it somewhat too early for assassinating?

 イタリアンレストランディーノに集まっている五人の男女は現在人を待っている。その人物の名前は愛澤春樹。組織ではラグエルと呼ばれる男で事実上のリーダーだ。ボスであるあの方は表舞台に立つことができないため、リーダー代理として東日本を彼は仕切っているのだ。

 

 そんな彼はあまり遅刻しない。集合時間は午後10時40分。そして現在の時刻は午後11時10分。ラグエルにしては珍しく30分も遅刻している。この状況はあきらかにおかしいとレミエルは思った。

 


 レミエルはあることを思いつき銃口をサマエルに向ける。

「猿芝居は止めにしないか。ラグエル。お前はサマエルに変装して俺たちがしびれを切らすのを待っている。違うか」

 


 レミエルの言葉を聞きサマエルは慌てる。

「ちょっと待ってくださいよ。私がラグエルの変装な訳ないじゃないですか。それに彼は実在の人物には変装できないはずですよ」

「それは7年前の話。そんな弱点を彼は克服できたと思いますが」

 

 ウリエルもサマエル変装説を疑わなかった。

「大体証拠はないでしょう」

「お前は正直な奴だ。お前はこの集会の目的が暗殺だと言った。この会に集まるメンバーの中でサマエルは一番の下っ端。そんな奴が目的について分かるはずがない。現にサブリーダーのウリエルは目的を知らなかった」

 

 レミエルに続くようにウリエルも証拠を突きつける。

「いつものようにこの店で昼食をいただいた時につけていたルビーの指輪をあなたは今つけていません。なぜ今は指輪をつけていないのでしょう。答えはあなたがラグエルの変装だからでしょう。指輪のことを知らないあなたはこんな単純なミスを犯した。物的証拠もありますよね。さあ白状したらどうですか」

 

 冤罪だとサマエルは思った。ルビーの指輪を外したのはこの場にふさわしくないと思ったから。物的証拠と状況証拠もあるこの状況を覆すことは難しいだろう。

 サマエルはただ沈黙することしかできなかった。レミエルはサマエルにデザードイーグルの銃口をさらに近づける。ウリエルはスタンガン。ラジエルはスタームルガーMki。ハニエルは日本刀を構えた。

 


 暗殺スキルがないサマエルは確実に殺されると思った。丁度その時黒いスーツを着たラグエルが裏口から現れた。

「もう暗殺ムードですか。まだ祭りは早いですよ」

 

 突然現れたラグエルを見てレミエルたちは驚いた。グッドタイミングだとサマエルは思った。サマエルはラグエルを涙目で見つめる。

「ラグエル。助けてくれ。私はあなたの変装ではないかと疑われている」

 するとラグエルはサマエルの頬を強く引っ張った。

「このように頬を引っ張るとマスクは剥がれ落ちて変装は解除されます。これで分かったでしょう。サマエルは私の変装ではないということが」

 ラグエルの言葉を聞きレミエルたちは納得する。だがサマエルはこの方法は強引だと思い心の中で泣いた。


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