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警察不信  作者: 山本正純
Episode 2  信賞必罰
32/106

Side.032 記者会見と組織の動向 A press conference and the trend of an organization

 午後3時月影は刑事部長室に行き、千間刑事部長に報告をする。

「望月警部から四字熟語の話は聞いていますよね」

 

千間刑事部長は頷く。

「そうだが、何かが分かったのか」

「はい。鬼頭は漢字のカードかシールを現場に残していました。現場に残されたのは三つの漢字を並び替えると信賞必罰になることから、この推理が正しければ鬼頭は第四の強盗殺人事件を起こし、現場に罰という漢字がプリントされたカードかシールを残す。ここからが本題です。第四の強盗殺人が発生する可能性が高い都道府県を特定しました」

 

 月影は白地図を千間に見せる。

「第四の連続強盗殺人事件が起きるとしたら、東京都、愛知県、和歌山県、宮崎県のどこかで起きるでしょう。根拠ですが、鬼頭は同じ都道府県で二回連続強盗殺人を起こさないというルールがあることが分かったから」

「この4か所のどこかに鬼頭は現れる。それは鬼頭を逮捕するチャンスがまだ残っているということか」

 

 千間は内線電話で喜田参事官と連絡する。

「喜田。今すぐ愛知県警と宮崎県警と和歌山県警に連絡しろ。鬼頭が管轄内で強盗殺人を起こす可能性が高いから警備を厳重にしろとな」

 


 午後6時千間刑事部長と喜田参事官は会見場で緊急記者会見を行った。マスコミ関係者50名に向かい千間は会見する。

「連続強盗殺人犯鬼頭宗成が第四の強盗殺人事件を起こす可能性が浮上しました。今月発生した北海道と島根県と群馬県の事件の現場には漢字のカードが残されていました。それらの漢字を並び替えるとある四字熟語になることから第四の事件が起きる可能性が浮上しました」

「これから第四の事件が発生する可能性が高い都道府県を発表します。各県警には警備を厳重にするよう要請しました。その都道府県は、東京都と愛知県と和歌山県と宮崎県です」

 千間は最後に一言マスコミと視聴者に向けてコメントする。

「我々警察組織は全力で第四の強盗殺人を防ぎたいと思います。そのためにも国民の皆さんは、セキュリティを厳重にしてください」

 


 生中継の緊急記者会見をガブリエルは自宅のリビングルームで観ていた。彼女は黒いスマホでラグエルに電話する。

「ラグエル。今警視庁が記者会見をしているけど、観ていますか」

『それは観ないといけないでしょう。どうやら警視庁は真実の一歩手前まで来ているようです。それとこの電話は第二幕前半戦開始を示すものですか』

「はい。そろそろ実行しないと間に合わないでしょう。政界側で何か動きがあるらしいから」

『もちろんそうしますよ』

 

 ラグエルはホテルの一室で電話を切り、仲間にメールする。

『予告殺人の準備をしてください』

 すぐさま仲間から返信メールが届き、ラグエルは頬を緩ませる。

『OK。明日午前7時に計画を遂行しますねっと』


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