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警察不信  作者: 山本正純
Episode 2  信賞必罰
26/106

Side.026 退屈なプレゼンビデオ  Tedious presentation video

 赤いネクタイの男が戻って来た時ピンクのネクタイの男はプロジェクターのスイッチを押す。すると予め用意してあったスクリーンに『第二の犯罪計画』という文字が横書きで表示された。

 

 彼はノートパソコンを操作しながら発表を始める。

「これから第二の犯罪計画について発表します。よろしくお願いします。まずはこちらの映像をご覧ください」

 

 彼は動画ソフトを立ち上げる。スクリーンにはラグエルの姿が映し出された。背景はなぜか海だ。

『ラグエルです。今回はパーティーに参加することができなくてすみませんでした。この動画はパーティーに参加することができない時に観ていただいています。パーティーに参加できれば直接プレゼンしますから、沖縄県の無人島ロケが無駄になってしまうので、パーティーに参加できなくてうれしいと思っています』

 

 この動画を観ながらウリエルは呟く。

「態々外ロケしなくても、都内某所の会議室でもよかったのに」

 


 動画映像の中でラグエルは砂浜を歩きながらプレゼンを始める。

『まず前提として今回の犯罪計画は前半戦と後半戦に分かれます。前半戦の計画に関わったメンバーは後半戦では休んでいただきます。後半戦参加メンバーは前半戦の期間中は休んでください。それでは今回の担当を発表します。前半戦担当はレミエルとラジエル。鴉さん二名と私ラジエルの計五名。後半戦のメンバーは前半戦担当者以外でこの場にいるメンバーです』

 


 前半戦と後半戦の参加者は平等に五名ずつ。メンバーが少ない分鬼頭奪還作戦以上のチームワークが必要になるだろう。最少のメンバーで作戦を成功させることができるのか。ハニエルは不安だった。


『ここまでで分からないことがあれば質問をしてください。プレゼンをしているであろうピンクが質疑応答をします。誰でもいいですので五分間質問してくださいね。質疑応答の五分間仕方なくカットしたサービスカットや未公開映像が放送されます。それではどうぞ』

 


 レミエルはサービスカットのくだりは嘘だろうと思いスクリーンを観た。スクリーンには本当にダイビングシーンや砂場でのランニングシーンが放送されていた。

「誰得だ。この映像は」

 

 するとハニエルが手を挙げて質問を始めた。

「たったの五名で作戦を遂行できるのですか」

「できます。これは個人の意見ですが、我々鴉とウリエルの五名でいくつもの作戦を遂行しています。五名程度のチームはチームワークを発揮しやすいと思います」

「分かりました」


 この質問を最後に4分30秒間ラグエルのサービスカットは続いた。サービスカットを観ながらサマエルは鴉に質問する。

「この映像は早送りできないのか」

「残念ながらできません。この動画再生ソフトには早送り機能がありませんので。ラグエルさんはこのサービスカットをどうしても見せたかったのでしょう。早送りしたら未公開映像になってしまうでしょう」

 


 それから20分間ラグエルは森の中や船の上で作戦の内容をプレゼンした。その合間にサービスカットや未公開映像も放送して。

 

 最後にラグエルは一言コメントして動画は終わる。

『それでは皆様。作戦の第二幕を楽しみましょう』

 プレゼン終了後レミエルはガッツポーズをする。

「ようやく俺の出番が来た」

 

 動画は終わったかのように思えたが、ピンクのネクタイ男はマイクを持ち衝撃の発言をする。

「それではパーティーを楽しんでください。その間スクリーンでプレゼン無人島ロケのメイキング映像『ラグエル無人島に行く』を放送します。上映時間は一時間です。それではどうぞ」


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