表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
警察不信  作者: 山本正純
Episode 1 連続強盗殺人犯を確保せよ!
14/106

Side.014 奪還計画の全容 The whole picture of a recapture plan

 いつもより一時間早くイタリアンレストランディーノは閉店した。閉店した店の中には10人の男女が揃っている。前回の会議に参加したラグエルたち6人に加えて、前回の会議には不参加の鴉たちは今回の会議に参加した。

 

 まずラグエルは今回の集会の目的について報告する。

「今回は明日行う鬼頭奪還計画についての打ち合わせです。警察組織は彼を逮捕するために全力で捜査しています。鬼頭逮捕も時間の問題でしょう。彼が逮捕されてしまえば我々の目的に支障が生じる。彼が監獄に入ってしまえば救出が難しくなってしまう。そこで警察が鬼頭を逮捕する前に確保することにしました」

 

 レミエルはラグエルの話を聞き拍手する。

「すばらしい。それでも難しいのではないか。相手は連続強盗殺人犯を逮捕しようと全力になった警察だ。俺たちが鬼頭を助けることを警察は承知の上で作戦を立てているだろう。そんな状況で鬼頭を警察の手から逃がすことができるのか」

「できますよ。この10人ならね」

 

 ラグエルはウインクをすると机の上に地図を広げた。

「鬼頭は明日午前10時群馬県にあるペンションで流星会の幹部小野田を殺害します。そのペンションの近くでレミエルとラジエルは待機。鬼頭が動き出したら追跡を開始してください。そして鬼頭が東京都に潜入したらウリエルとサマエルに連絡してください」

 

 レミエルは明日の仕事の内容は分かったが、どうしても分からないことがあった。

「鬼頭はどうやって逃走するつもりだ。そんなに都合よく車を盗むことは困難だろう。そのペンションが山の中にあるならなおさらだ」

「心配する必要はありません。仕掛け人に車を乗り捨ててもらい、鬼頭に使ってもらいます。その車に発信機を取り付けて」

 

 レミエルは納得する。その後でラグエルはマグネットを地図の上に置く。

「ウリエルと鴉さんはポイントAで待機してください。鬼頭が群馬県と東京都の県境を突破したら行動開始。作戦のサポートをしてください。作戦の成否はあなたたちの仕事によって変わります」

「了解」

 

 最後に彼は別の位置にもう一つ用意していたマグネットを地図上に置く。

「そしてサマエルとハニエルは鬼頭が東京都に潜入したことが伝わった時点で組織のアジトにあるヘリポートからヘリコプターに搭乗。ゴールの上空で捜査を撹乱してください」

「分かりました」

「了解だ」


「私たちの仕事は分かりました。ではあなたの仕事は何ですか」

 ウリエルから疑問の声が聞こえラジエルたちはラグエルの顔を見た。

「裏方でしょうかね。僕は警視庁に潜入捜査していますから、この作戦には深く関わることができません。作戦に参加してしまうと正体がばれてしまいます。表舞台で仕事したいのですが残念です。裏方である僕に情報を流してください。これは確実に勝てるゲームではありませんが、警視庁に潜入捜査しているスパイがいれば勝ちやすくなるでしょう。当日の仕事は作戦の参謀です」

 

 作戦会議は終了し鬼頭奪還計画の前夜祭が始まった。長い一夜が終われば、彼らの大きな仕事が始まる。


次回から警察組織とテロ組織退屈な天使たちとの直接対決が始まります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ