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警察不信  作者: 山本正純
Episode 1 連続強盗殺人犯を確保せよ!
13/106

Side.013 直接対決の前奏曲 The prelude of a head to head competition

 その日の夕方山本尊は夕方のニュース番組に出演した。男性アナウンサーは彼に質問する。

『山本さん。松江市で起きた爆弾事件は退屈な天使たちによる犯行なのでしょうか』

『そうではないですか。鬼頭が松江市に逃亡したことを知った退屈な天使たちは便乗して爆弾事件を起こしたのでしょう。私がこの一件で一番怒っているのは二人の警察官が殉職したことです。たった二人で鬼頭を逮捕できるはずがありませんよね。彼は化け物みたいんばものですから。これ以上犠牲者を増やさないためにも警察には早く鬼頭を逮捕してほしいですね』

 

 ジョニーは滞在先のホテルでこの番組を観ていた。

「日本の犯罪心理学者も捨てたものじゃないな」

 ジョニーはテレビを切るとイタリアンレストランディーノに向かう。今夜は前夜祭だ。

 


 その頃千間刑事部長は警察庁に呼び出されていた。警察庁刑事局長室で彼は榊原刑事局長に会った。榊原は単刀直入に用件を伝える。

「明日退屈な天使たちが関東地方のどこかで動き出すらしい。彼らの目的は鬼頭を我々の包囲網から奪還すること。簡単に目的が達成できないように警備が厳重にしてあるよね」

「はい。どこから鬼頭が包囲網を突破してもいいように関東地方全体に捜査協力を要請しました。鬼頭が目撃されたら警視庁に連絡するように」

「そうか。それなら警察庁も協力した方がいいかな」

「よろしくおねがいします」

 


 組織犯罪対策課の須田哲夫は東京湾第二コンビナートにいた。一か月前このコンビナートで爆弾事件が発生。流星会への恨みが爆弾犯の動機だった。この事件で東京都にある指定暴力団流星会のアジト23か所の住所が分かった。この一か月間組織犯罪対策課は爆弾事件の捜査の過程で入手した流星会アジトリストを使い摘発を強化している。

 

 だがどのアジトにも流星会のメンバーはいなかった。警察上層部はこの事態がおかしいと思い、警視庁内に彼らに繋がるスパイがるのではないかと疑っていた。流星会からのスパイの正体は須田哲夫。警視庁内に彼らのスパイがいるのではないかという疑惑が浮上してからは慎重に行動している。

 彼がこの東京湾第二コンビナートに一人で来た理由は透明人間の捜査。あの爆弾事件には4人の怪物のメンバー透明人間が絡んでいた。ラグエルが流星会のアジトから爆弾の設計図を持ち出して、透明人間に渡す。透明人間は爆弾犯に爆弾を渡すという構図で須田はこの事件に関わった。当初の予定では流星会オリジナルの爆弾を使用するはずだった。しかし透明人間はアレンジを加えて恐怖を完璧に仕上げた。

 

 透明人間は爆弾を作る才能はない。あのような爆弾を作るには確実に協力者が必要。つまり透明人間には爆弾魔という相棒がいる。

 これが真実なら暗殺対象も増える。ということで彼は爆弾事件の捜査を独自で行っている。

「やはり塵一つないか。撤退を指示したから無理はないが」

 

 証拠は何一つない。そう考えていた時須田の携帯電話が鳴った。相手は上司の望月裕子警部。

『須田警部補。明日流星会幹部小野田が群馬に現れます。群馬県警に捜査協力を要請して彼を逮捕しましょう』

「分かりました」

 須田はニヤリと笑う。そして用件を聞くと電話を切った。

(これで動きやすくなりました)

組織と警察との頭脳戦第一幕が明日始まる。


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