Side.012 その日の松江市は騒がしかった Matsue of the day was noisy
10月12日午前7時島根県松江市ルイース・ティラミス美術館。そこで鬼頭は彫刻黒い白鳥を盗んだ。もちろん警備員は全員血を流して絶命している。
現場にカードを残した彼は今松江駅周辺を走って逃走している。
すると先回りした二人の警察官が拳銃を構えて現れた。
「動くな。動くと撃つ」
「出頭しろ」
二人の警察官は威嚇で一発発砲する。閑静な駅前に銃声が鳴り響く。鬼頭は二人の拳銃の構え方を見て笑う。
「おもしろい。そんな拳銃で俺を殺せるとでも思ったか」
鬼頭は警察官の内の一人をパンチする。威力は警察官の命を奪うほど凄いものだ。鬼頭は死亡した警察官から拳銃を奪い生き残った警察館を撃ち殺す。
「いいね。警察官の銃弾は市民を守る正義の弾丸か。その銃弾で正義の味方である警察官を殺す。おもしろい」
鬼頭は二人の警察官の顔を掴み死体になりかけている体を持ち上げる。
「たった二人で連続強盗殺人犯を逮捕できると思ったお前らが馬鹿だ」
そういうと彼は二つの死体を放り投げて壁にぶつける。ぶつかった街灯はきれいに折れ曲がった。
そんな様子を黒い車の中でアフロのサングラス男は見ていた。鬼頭を盗撮した彼は上司に電話する。
「鬼頭を発見しました。場所は・・」
一方鬼頭は監視に気が付いた。彼は偶然転がっていた石を掴む。
「公安か。ふざけたマネしやがって」
彼は石を不審車に向かって投げる。石は運転席側のリヤドアガラスに命中する。運転席はガラスが散乱している。その中でアフロサングラス男はガラスの破片が心臓に刺さったことにより死亡した。
鬼頭は公安らしい人物の顔を見るために車に近づくと、車内で死亡したアフロ男の携帯電話から聞き覚えのある女の声が聞こえた。
『鬼頭さん。仲間を殺さないでくださいよ。あなたをサポートしようと思って尾行させていたのに』
「その声はガブリエルか。今どこにいる」
『遠く離れた福岡県です。困りましたね。当初はあなたが公安と間違えて殺した彼に鳥取支部まで送ってもらう予定でしたが、彼が死亡したらこの作戦は使えません。ということでプランBに変更します。まずあなたはそこから二キロほど離れたデパートまで移動してください。そこで新しい運搬役と合流してください。三十分くらい待つことになりますがよろしいですね』
「分かった。それでこいつはどうする。このお前らの仲間の死体が警察に渡ればいろいろと面倒なことになるんじゃないか」
『そうですね。それではダッシュポートに時限爆弾が入れてあります。それを起動させて証拠を隠滅してください。起動後三十秒で爆発しますからすぐに避難してくださいね』
「了解」
鬼頭は電話を切るとダッシュポートから時限爆弾を取り出して軌道させた。爆弾を車内に放置してから三十秒後車は爆発した。松江駅前を爆音が鳴り響く。事件は謎の爆弾事件として処理された。被害者の身元が掴めず捜査は難航して後に迷宮入りした。
今回間違って死亡したアフロサングラス男は、『江角千穂シリーズ この中に1人、面接官がいる!』の容疑者の一人です。
ご冥福をお祈りします。




